大森均の釣れ釣れ草

満天の星の下でヤエン釣り

白浜で2.1キロのアオリイカを仕留める!
2021年3月26日
満天の星空の下で飲む酒の味は格別
釣果をスイスの友人に連絡した樋口さん
思わぬ大物に喜色満面の杉本さん

 アオリイカは小魚やエビを捕食する典型的なフィッシュイーターだ。ハリに掛かるとスミを吐き、勢いよく海水を逆噴射し、その推進力で突っ走る。釣っておもしろく、食べておいしいとくれば、ファンが増え続けるのは当たり前。釣り期は、春と秋に大きく分けられる。

 春は、水温が17度程度になるとペアになって産卵のために浅瀬の藻場に集まる。そのため運が良ければ2キロ超の巨大なアオリイカが釣れることがある。

 25年ほど前になろうか、エギングブームがきっかけになり、以前からあった生きたアジを泳がせて釣るヤエン釣りがさらに面白いと注目された。ヤエン釣りとは、渓谷などの谷間を人力で対岸へ物を運ぶミニロープウエーのような設備を「野猿(やえん)」と呼ぶが、掛け針を下ろしていく様子がそっくりなことからそう呼ばれるようになった。

▽プチキャンプ気分

 22日、旭区に住む樋口吉信さんと杉本和幸さんは、和歌山県白浜町の波止でアオリイカを狙って釣り座を構えていた。2人は、中学生のころから半世紀以上の音楽仲間で、70歳を目前にした今も親爺(おやじ)バンドを介して親交を続けている。

 この2人の共通の友人Aさんから「ヤエン釣りはおもしろいで」と何年も前から洗脳されるがごとくささやかれていた。2人とも多少の釣りの経験はあっても、ヤエン釣りは話に聞くだけのイメージの世界。おめでたい2人は、出かける前からユーチューブで見たあの幸運が自分にも必ず訪れると思い込むまでにAさんから刷り込まれていた。

 またこの日の3人は、釣りの楽しみのほかにカセットコンロを持ち込んで、燗(かん)のお酒とカップラーメンでプチキャンプ気分を味わうことももう一つの目的であった。

▽グータッチで

 とにかく、エサとなる1尾目のアジをセットして泳がせた。続いて2尾目を投入。午後5時から釣り始め反応のないまま時間が経過したが、完全に暮れると夜空に満天の星が輝きだした。星座の話をしながらゆっくりとした弛(ゆる)んだ時間が流れた。

 アタリもなく4時間ほど過ぎた午後9時、「まだ時期が早かったかなぁ?」とAさんは、前日の勢いから一転して急に弱気なことを言い始めた。その時だった。「ジー、ジー」とイカがアジをくわえて引っ張った。現金なものだ。つい先ほどまで意気消沈だったAさんも急に活気づいている。2〜3分のやりとりの後、かなりの重量感を感じている様子を見たAさんから「ヤエン投入して!」と合図が出た。

 「ヤエンを入れるとバッチリ針掛かりしました。逆噴射で逃げようとするその抵抗は普通ではなく、巻き取りの手が止まるほどの強い引きで抵抗しているのが初体験の私たちにも伝わるほどでした。漆黒の海からライトに照らし出されて水面を割った獲物が見えた時、『大きい!』と異口同音に声が出ました」と樋口さんは興奮気味に語った。

 「最後は、Aさんがギャフで一発にキャッチ、御用!と相成りました。まさに3人で協力して釣り上げたアオリイカでしたが、師匠格のAさんが一番興奮していたことが妙に笑えました。また、あの満天の星の下で飲むお酒のおいしいこと」と喜色満面の杉本さん。

 無事取り込んで横たわるアオリイカは、手計測で胴長40センチ(のちに検量すると胴長38センチ、2・1キロ)ありそうなキングサイズ。その記念すべきアオリイカをもって交互に撮影会の後、3人はグータッチで喜びあったという。

 「何!まるで横で見ていたみたいな情景描写やなぁ?Aさんってだれや?」「エッ!ハイ(汗)…」。

 そんなことより、イカの大きさと楽しそうなミニ宴会風景写真をどうぞご覧下さい。

週末のイチオシ気配

■船(1)■泉佐野・大阪

 良型マアジ堅調。23日、マアジ&五目便でマアジ25〜37センチ11尾とガシラ10尾が竿頭。出潮により狙いを切り替えるので確認を。要予約。▽海新丸=電話0724(69)2332

■船(2)■阿尾・和歌山

 日の岬沖に出船してイサギが好調。23日、27〜38センチ102尾が竿頭。竿釣り、オモリ120号。エサはアミエビ。要予約。▽共栄丸=電話0738(64)2975

■船(3)■北港・大阪

 半夜便のメバル上向く。23日、同魚16〜24センチ44尾が竿頭。サオ3〜3.5メートル、道糸PE1.5〜2.0号、オモリ30号。要予約。▽ヤザワ渡船=電話06(6573)7712

■磯(1)■大引・和歌山

 マダイ期待。23日、ヒジキ島で同魚32〜50センチ3尾とイサギ30〜37センチ、サンバソウ30センチ1尾(カゴ釣り12ヒロ)。水温15.4度。▽村井渡船=電話0738(65)1041

■磯(2)■神谷・和歌山

 乗っ込みのチヌ狙いが尻上がりに良くなる。神谷の蟻島インキョ、蛇の鼻は大型の実績場。40センチ台3〜5尾見込める。▽佐知丸=電話0738(65)0736

■筏■本浦・三重

 年無し見込める。23日、24〜44センチ5尾とマダイ56センチ1尾。前日に30〜46センチ5尾。いずれもエサはシラサエビ。この時期のイカダのチヌ狙いは、早朝より水温が上がる昼からが狙い目。▽やま栄渡船=電話0599(32)6009

■波止■武庫川一文字・兵庫

 ハネ本格化近い。エビ撒き釣りで45〜60センチまでをいい人で1〜3尾。今月末から急上昇するはず。タナは2.5〜4.5ヒロ。▽武庫川渡船=電話06(6430)6519

■サクラマス■九頭龍川・福井

 3月に入り上昇気配。12日高屋橋上流左岸で61.3センチ(2.8キロ)、20日えち鉄下流左岸で62.7センチ(2.75キロ)登場。新幹線下流、高屋橋上流、福井大橋周辺あたりが有望。▽越前FC=電話0776(22)1095

 (大阪日日APG 清水智之)



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