大森均の釣れ釣れ草

現代中国の釣り事情

2021年7月9日

 中国の古いことわざに「一時間、幸せになりたかったら酒を飲みなさい。三日間、幸せになりたかったら結婚しなさい。八日間、幸せになりたかったら豚を殺して食べなさい。永遠に、幸せになりたかったら釣りを覚えなさい」とある。これは、コロナ前に上海の現地ガイドからも直接聞いたほど中国では結構ポピュラーなことわざである。

 青年期に読んだ西園寺公一が書いた本のタイトルで「釣魚迷」なる言葉を知った。釣り狂い、釣りバカというほどの意味である。この本によって「釣魚迷」という言葉が日本の釣り人に広く知られるようになったが、現在の中国の釣り事情は半世紀前の様子からは少々違いがある。

▽釣魚迷は1億人

 そもそも中国には大河も多いが沼や人工湖がたくさんある。また、海岸線も1万4千キロメートル以上あり、このことから推し量っても、魚の種類の多さも日本の比ではないはずだ。しかしわれわれが聞き及ぶ中国の釣りは、北京など大都市近郊にある沼や池の淡水魚を対象とする釣りの話がほとんどで、磯釣りや船釣りの話はあまり聞かない。

 これには理由がある。中国のモータリゼーションの底辺拡大と無関係ではない。釣り道具を抱えて広域的に釣行に及ぶ人たちの絶対数が少ないから、近場の特定の釣りに偏ってしまう。そのために中国では釣り堀がはやることになる。北京に住む釣り師は海釣りをしたことがない人が多い。日本のように一人の釣り師が磯釣りも川釣りも、とマルチにこなす人はほとんどいないという。

 釣り具の市場という観点から考えても、自動車の大衆への普及が進めば、一説1億人とも言われる「釣魚迷」は、1種目の釣りから複数種目になることはあきらかで、予想をはるかに上回る巨大市場になるに違いない。

 また、日本と大きく違うところは、食料増産のための養殖場となっている沼や池が断然多い。それでも14億人のタンパク質の供給には絶対量が不足している。このために釣り人が本来の釣り場から締め出されていると聞く。釣り場そのものが不足で、北京郊外の入漁券を買って釣る陶然亭の池などは、コロナ前には超満員で満員札止めは連日のことであった。

▽釣り台付の小屋

 経済発展が著しい大都市近郊では、間違いなく釣り人口が過剰であるが、混雑を嫌った富裕層のために会員制の釣り池まで登場しているというから、いかにも貧富の差の激しい現代中国の側面を如実にあらわしている。公園や宿泊施設も併設されており、年間契約で池の周辺の小屋を50万円ほどで借り切る。池に突き出した釣り台付の小屋にはソファがあり、扇風機を釣り人に向けることもできるというから驚く。

 また、釣具店ではシマノやダイワのリールや竿(さお)が、エサのコーナーに目を転じればマルキューの商品がところ狭しと並んでいる。さすが、日本の製品は人気が高い。と、喜んでばかりはいられない。人気が高いほどそれらのコピー商品も比例して相当な量が流通しているから困ったものだ。とにかく、現代中国の釣り事情は、そう単純ではなさそうであるが、またそれだけに興味深い。

週末のイチオシ気配

■船(1)■淡路江井・兵庫

 この週末は大雨の影響があるので、場所の選定が難しい。淡路江井のマダイ釣り(35〜50センチマダイ3〜5尾)を推奨。マルアジ(35〜40センチ5〜10尾)も期待できる。▽山下荘=電話0799(86)1679

■船(2)■東二見・兵庫

 鹿の瀬、二見沖に出船するマダコが上昇気配。0.3〜2.0キロが20〜30パイ見込める。タコエギ、タコテンヤ使用。オモリ50号。要予約。▽西海丸=電話078(942)6480

■船(3)■若狭本郷・福井

 キス上昇気配。湾内でキス17〜28センチ40〜55尾。天秤仕掛け2〜3本針9号。エサは石ゴカイと青イソメ併用。▽はやし渡船=電話0770(77)0591

■船(4)■印南・和歌山

 イサギ最終。印南沖に出てイサギ27〜36センチ30尾。船頭仕掛けの手釣りで。ハリス3号、テンビン4本針、オモリ100号。要予約。▽村上丸=電話0738(43)0612

■磯■梶賀・三重

 半夜釣りで尾長グレ30〜45センチ3〜5尾程度期待できる。エサはボイル。バラシ続出で竿2号、ハリス4〜5号、徹底した磯際狙いで。▽榎本渡船=電話0597(27)2211

■筏■衣奈・和歌山

 連日、チヌ40センチ超がコンスタントに姿を見せるようになった。他にヘダイ24〜30センチ5〜10尾。コイズキ筏で35〜45センチ2〜5尾。エサはオキアミ、丸貝とサナギ。▽中長渡船=電話0738(66)0657

■ボート■紀伊長島・三重

 ボート釣りでキスが見込める。20センチまでが30〜60尾。また、タコテンヤを使ってマダコ1.5キロまでを10〜15ハイ狙える。手こぎボート50艘、船外機付ボート25艘あり。要予約。▽石倉渡船=電話05974(7)0712

■SW■阿尾・和歌山

 青物回遊。沖一文字でシイラ70〜80センチ1〜2尾とサワラ60〜70センチ1〜3尾。水温25度前後。ヒットルアーはホッパーなど。▽照ちゃん渡船=電話0738(64)2601

■波止■北港・大阪

 チヌ気配濃厚。イガイやカニ使いの落とし込み、エビ撒き釣りともに好釣果続出。7日、舞洲の落とし込みで同魚41〜54センチ41尾の大釣りが出た。▽ヤザワ渡船=電話06(6573)7712

 (大阪日日APG 錦 剛司)



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