大森均の釣れ釣れ草

工大裏ワンドのヘラブナ釣り

2022年5月6日

3日に一度仕事のように

落ち着いて魚を取り込む藤田さん

 淀川には、川の流れが作る浸食や堆積でワンドと呼ばれる池が各地にある。このワンドには、まったく遮断されたものもあるが、本流と水脈がつながっているものが多い。少ないながらも葦があり、身を隠す障害物がある環境は、生き物にとって絶好のすみかになっている。絶滅寸前の天然記念物、イタセンパラもここに生息している。

 なかでも大阪工業大学裏の城北ワンド群は、近在のヘラブナ釣り師に人気が高い。数はともかく、30〜40センチの型のいい美しい魚体のヘラブナが釣れ、その強い引きを求めて釣り人が集まる。天気のいい日の休日はどのワンドの釣り座も満員御礼の札止めだ。

 ▽左手は天を突いた

 4月23日、東淀川区の藤田君康さん(68)は朝9時に工大裏の城北ワンドにやってきた。この3週間の間、7回通っているということは、ほぼ3日に一度の割合で仕事のように釣りに来ている計算になる。その前は、かつてこの欄でも取り上げた守口下島小学校裏のワンドに二十年余り通ったが、数は出ないが30〜40センチの良型がそろうこのワンドに魅せられて本拠地を移している昨今である。15尺(4・5メートル)のヘラ竿(ざお)で、エサは一般的なトロロ、グルテンなどを使いとにかく釣り始めた。藤田さんの大きく円を描くように振り込む一連の動作は、正確無比。同一地点にエサを振り込む事は、ヘラブナ釣りの技術では大切な要素だ。

 ヘラウキが立つ。仕掛けがなじんで、一節だけ目盛が水の上に顔を出す。上針のバラケエサが溶け出すと微妙にかつ、少しずつ、一目盛、また一目盛とヘラウキが浮いてくる。一節、押さえ込むような力強いアタリがあった。その時、すでに名手の左手は、見事な反射神経で天を突いた。大きく弧を描くヘラ竿をためて、あやすようにやりとりをする。水面近くで反転した魚体が大きな波紋をつくった。こうして慎重に取り込んだヘラブナは、手計測で40センチジャストのビッグサイズ。

 このような条件の場所では、そう大差なくアタリがあるものだ。釣果の差は、このアワセのタイミングのズレでその明暗を分けると言っても過言ではない。この日の藤田さんの釣果は、午後4時半の時点で30〜40センチのヘラブナを3尾、ニゴイの45センチが1尾であった。

 ▽1時間本腰入れて

 釣友の梶元昌孝さん(66)は「藤田さんはいつも早朝からやって来て、あちらの友達、こちらの友達と、交流と称して邪魔をしてまわります。帰る間際の1時間に本腰を入れて集中して釣りますが、これがいつもよく釣るんです」と苦笑いをしながら藤田さんを語った。

 楽しい話を聞かせてくれる梶元さんと藤田さんは、当分はこのお気に入りのポイントで、多くの釣友に囲まれてこの記事の再演をするかのように3日に一度、ヘラブナ釣りを楽しんでいるに違いない。

週末のイチオシ気配

■船(1)■阿尾・和歌山

 日の岬沖に出船してイサギが急上昇。5月に入り、同魚26〜40センチ30〜50尾が60〜90尾程度の竿頭に上向き。3日、同魚26〜36センチ91尾。要予約。▽共栄丸=電話0738(64)2318

■船(2)■印南・和歌山

 印南沖に出て午前便の良型マアジ好調。同魚30〜40センチ15〜30尾見込める。3日、同魚30〜43センチ32尾とイサギ27〜33センチ16尾。要予約。▽清義丸=電話0738(42)0259

■船(3)■鷹巣沖・福井

 鷹巣沖でマダイ40〜70センチ好調。3日、3人連れが同魚42〜75センチ14尾。フカセ釣りでハリスは5〜6号、ハリ伊勢尼10〜12号、エサはオキアミ。要予約。▽アラタニ釣具店=電話0776(85)1604

■船(4)■小浜・福井

 3日、午後2時出船の半夜便で同魚胴長18〜40センチ50パイとマアジ25〜30センチ10尾にスルメイカ25センチ前後10パイとイワシ20センチ前後20尾。要予約。▽谷久丸=電話0770(52)2854

■磯(1)■湯浅・和歌山

 カルモ島でチヌ30〜45センチ5〜10尾見込める。3日、同魚33〜41センチ11尾。他にアオリイカ(0.5〜2.5キロ)がヤエンで1〜3ハイ。▽なぎ丸=電話0737(62)3891

■磯(2)■浜坂・兵庫

 グレ釣れ盛る。3日、西の赤島で同魚25〜35センチ50尾。他に4日、ショアジギングでヒラマサ、ヒラスズキが上がった。▽はまさか渡船=電話090(1142)4251

■ボート■紀伊長島・三重

 手こぎボートでキス23センチまでを20〜40尾。他には、呑ませ釣りでヒラメ40〜60センチ1〜2尾やマゴチ1〜2尾期待できる。要予約。▽石倉渡船=電話0597(47)0712

■波止(1)■田ノ浦漁港・和歌山

 内向き浮桟橋でハネ50センチ超2〜5尾釣れている。アジ、イワシなどの回遊も度々あるので、サビキ仕掛けも持参したい。▽フィッシングMAX和歌山インター店=電話0734(73)5858

■波止(2)■西宮ケーソン・兵庫

 ハネは、尼崎、鳴尾浜、甲子園浜、西宮浜あたりが引き続き好調。西宮ケーソンで40〜65センチ3〜5尾。▽フィッシングMAX武庫川店=電話06(6411)4848

 (大阪日日APG 清水智之)



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