大森均の釣れ釣れ草

真夏の夜の夢

2022年8月5日

50センチのアユの塩焼き?

アユの友釣り風景

 20年ほど前、米寿を迎えた名人Uさんが「戦後まもなくアメリカの雑誌でルアーを知ったとき、『まずこの釣りは日本で育つまい』と思いました」ときっぱりと言い切られたことが妙に耳に残っている。魚のことをよく知るUさんであればこそ、繊細な神経の仕掛けと対峙(たいじ)する日本の魚たちがこんな金属片や木片に飛びつくはずがない、と考えたことも無理からぬこと。

 さらに「ルアーが輸入されたばかりのころは、対象魚が日本の河川に少ないということもあり、当時の釣具店なども冷ややかに見ていたようです。ところが関係者の熱意がこれを救いました。雷魚やナマズやウグイなどが釣れることが知られるようになり、わずかではありますが外来魚を養殖したりしました。初速は鈍かったですが、ルアーを楽しむ釣り人は確実に広がりをみせ『魚は釣って帰って食べるもの』という当たり前に疑わなかった概念とは別に『魚は釣って楽しむもの』という欧米流の概念も普及させました」と、語ってくれた。

 近年のルアー熱はすさまじい。当初は、マス類など淡水系の魚へのアプローチがほとんどであったルアーの世界もおいしい魚の多い海にその広がりを見せ、釣り具もその分野の売り上げでボーナスの額が左右されるほどに成長した。

 こんな歴史を経て今日の隆盛があるが、この日本におけるルアーの発展の経過をアユの友釣りを世界中に広めることに重ね合わせたご仁がいる。

▽友釣りを輸出

 夫婦で釣り好きのTさんは、発想が我々とは違う。

 「私の夢は、日本から釣りを発信することです。なかでも、私はアユの友釣りを世界中に広めたい。この釣りの発想がどれだけユニークなものであり、この釣り味がどれだけ面白いものであるかは、この釣りを知るすべての人の認めるところです。他のどんな国においてもなされていないようなので、こんな面白い釣りを教えてやりたいという親心のようなものです。日本のアユを輸出して、放流するのです。湖産アユが琵琶湖水系では大きくならないのに、他の河川へ放流すれば見違えるほど大きく成長します。ひょっとすると、アメリカ大陸や、オーストラリアなどの河川に放流したら、更に大きく成長するかもしれません。日本でなら、せいぜい30センチ止まりのアユが、もし、50センチにも成長したらこれは迫力のある友釣りになりますよ」と聞いて、50センチのアユの塩焼きが卓上にのっている映像が浮かんで思わず笑いがこぼれた。

 しかし、この場面を想像すると、これは迫力のあるものに違いない。我々の腕では25センチのアユでも川下へ移動しながら苦労して取り込むのに、サケのような超ド級のアユが太い仕掛けに2尾掛かって一気に引っ張ったら、これはもう格闘のようなものだ。現地の新聞に『アユの友釣り中、川に引きずり込まれる!』などの見出しが躍るかも…。

 凡人の私はそんなことはありえないと、ついつい考えてしまうが、ルアーのような変テコなものが日本に紹介された当時の違和感はこの程度以上のものだったかもしれない。真夏の夜の夢は果てしない。

今週のイチオシ気配

■船(1)■若狭本郷・福井

 キス本格化。連日、同魚12〜24センチが平均50尾釣れている。2日、船中4人で201尾。トップ63尾。エサは石ゴカイ。▽はやし渡船=電話0770(77)0591

■船(2)宮津・京都

 すこぶるおいしいアコウとガシラ期待できる。アコウ25〜45センチ10〜20尾とガシラ20〜30センチ10〜15尾程度。要予約。▽一心丸=電話0772(28)0476

■船(3)■宮津・京都

 すこぶるおいしいアマダイ期待できる。3日、同魚23〜44センチ17尾とレンコダイ、ガシラ、オニカサゴまじる。要予約。▽新幸丸=電話0772(28)0160

■船(4)■阿尾・和歌山

 アカイカ堅調。半夜で15〜27センチ50パイ前後連日釣れ続く。2日半夜、同魚12〜30センチ55ハイが竿頭。ウキスッテ2.5〜3.0号。要予約。▽共栄丸=電話0738(64)2318

■磯(1)■大引・和歌山

 カゴ釣りでイサギ期待できる。3日、ヒジキで同魚20〜36センチ28尾(10〜12ヒロ)。エサはボイル。マダイも1〜2尾まじる。▽村井渡船=電話0738(65)1041

■磯(2)梶賀・三重

 底物期待大。3日、イシダイ52センチとイシガキダイ35、36センチ2尾(エサはウニ)。同礁者がイシダイ50センチとイシガキダイ35センチ1尾。▽榎本渡船=電話0597(27)2211

■筏(1)■衣奈・和歌山

 チヌ40センチまでがコンスタントに姿を見せるようになった。3日、波止前筏で30〜36センチ5尾。エサはサナギ。▽中長渡船=電話=0738(66)0657

■筏(2)■堂の浦・徳島

 チヌ好調。3日、湾口のカセで同魚25〜44センチ20尾よハネ51センチ1尾。エサはサナギ、オキアミ、生ミック。▽斉藤渡船=電話090(3782)0837

■波止■北港・大阪

 落とし込みのチヌ絶好調。3日、同魚35〜50センチ43尾。他に他にシラサエビのエサでアコウ30〜40センチ2〜5尾。▽ヤザワ渡船=電話06(6573)7712

■海釣公園■平磯・兵庫

 14番付近のサビキ釣りで唐揚げ用の10〜15センチの豆アジ30〜50尾。併せて投げ釣りでベラ・ガシラなどを狙う作戦で。▽公園事務所=電話078(753)3973

 (大阪日日APG 清水智之)




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