金井啓子の現代進行形

自民党大阪が都構想の討論会

2020年7月16日

単なるガス抜きで終わらせるな

 6月11日の本コラムで「自民党府議団が都構想賛成へ 党内の討論会で態度に決着を」と題するコラムを書いた。その討論会が本日16日、賛成派と反対派を交えて大阪市内で開かれるという。

 大阪市を廃止して特別区を設置する、いわゆる大阪都構想に反対していた自民党大阪府議団16人のうち10人が賛成へと転じたことで、反対の姿勢を崩さない府議団の残り6人と同党大阪市議団との間でねじれが生じているという。

 そのねじれは自民党支持者にも混乱を生じさせた。だったら賛成派と反対派が双方の意見を討論会でぶつけ、特に10人の府議が賛成へと転じた理由についての合理的な説明をすれば支持者の理解も得られるのではないか。これがコラムで主張した内容だった。

 私の意見を参考にしてもらったのかどうかは知らないが、その後、自民党大阪府連主催で討論会をやることが決まり、その実施日が本日午後だという。どのような討論会になり、自民党大阪がどのような方向を打ち出すかは、自民党支持者でなくても興味のあるところだろう。

 さて、本日の討論会に際して注文したいことがある。まず、賛成派と反対派が議論を戦わすのだから、どちらの言い分に正当性があるのかくらいの判断はすべきだろう。つまり、白黒をはっきりさせる。

 なぜなら都構想の住民投票は賛成か反対かの二者択一であり、「是々非々」とか「どちらでも良い」といった選択肢はない。政令市を廃止するかどうかの重大な判断を目の前にして、大阪市内に住む支持者は中途半端な投票はできないのだ。そうである以上、自民党大阪府連が支持者に都構想に対する方向性を示すのは、政党として最低限の義務だと思う。

 では、その白黒の判断は誰が下すのか。これは支持者が望ましい。

 これまで自民党大阪は都構想に対してずっと反対の姿勢を貫いており、その姿勢に同意する支持者は多かったはずだ。ところが、10人の自民党府議が態度を変えて賛成に転じた。そのことを納得していない支持者だって少なくないだろう。

 本日の討論会は支持者に対する説明の意味もあるのではないか。だったら賛成派と反対派の主張、どちらの言い分に理があるかの判断は支持者自身が下すのが最も合理的だろう。支持者が下した判断に対して自民党大阪府連は従うべきだし、今後の都構想への方針とすべきだろう。

 なお、最悪なのは今回の討論会がただのガス抜きで終わることだ。賛成派と反対派に主張だけさせて双方の不満を解消させることが最大の目的なら、目も当てられない。自己主張できない政党に存在意義はない。そうならないことを望むばかりである。

 (近畿大学総合社会学部教授)



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