吉武英行 五感の旅

西長門、角島大橋

2021年3月8日
通行料無料の橋としては日本屈指の長さを誇る角島大橋

 外出自粛が続く昨今、出たがり虫がまたまた騒ぎ出し、夜中の午前0時に街を飛び出す。一路西へ500キロを超すロングドライブだ。中国自動車道をひたすら西へ下り、角島大橋を目指す。途中数回の休憩をとりながら、有り余る時間を上手に使ってのドライブを心掛ける。

 中国自動車道美祢ICで降り、まだ明けきらない国道435号線を西長門へ。昔、ホテルマンを志したきっかけにもなった西長門リゾートを思い出しながらの心地よいドライブ。早朝の午前6時に角島大橋に到着。まだ明けきらない空気の中、道路灯に浮かび上がる角島大橋はこれまたエキゾチックな風景である。

 通行料無料の橋としては日本屈指の長さ(1780メートル)を誇る。コバルトブルーの海士ケ瀬(あまがせ)を跨ぎ、景観と調和したその雄姿は北長門海岸地域随一の景勝地だ。車を降り大きく深呼吸して少しの睡眠をとり、近隣探索を試みた。

 風情を感じる角島灯台を訪ねてみる。明治元年、日本政府が招聘(しょうへい)した最初の外国人技師、イギリスのリチャード・ヘンリー・ブラントンにより設計された円形石造りで、日本海側初の洋式灯台。「日本の灯台50選」にも選ばれている。高さ29・62メートル、105段のらせん階段を上がって望む日本海は圧巻。とにかく絵になる灯台だ。

 そして友人から得た情報であるが美しい礼拝堂へ立ち寄る。大浜海水浴場に設置してあった公衆トイレの外側を映画撮影用に礼拝堂へと改造した建物らしい。映画「四日間の奇蹟」のロケセットとして使用されたと聞く。海と空の青さに映える白い礼拝堂は、おとぎの国のようにロマンチックで美しい。

 心に残る風景は心に刻み込まれた。ここ西長門の地は、日本の風景の中でも屈指の心に残る場所であるといえる。

 (ホテル・旅館プロデューサー)



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