吉武英行 五感の旅

岡山・日生

2021年3月29日
日生の海の美しさが心を癒やしてくれる

 今回の近場の旅は、岡山県南東部に位置し、兵庫県と境を接する漁師町の日生を訪ねた。

 瀬戸内海に面し、平地が少なく山林で占められる。山陽自動車道赤穂インターで降り、西へ20分ほど山間を抜けると、青々とした入り江がまぶしく目に飛び込んでくる。そして小豆島などへ航行するフェリー乗り場に出る。この風景、空気が筆者の癒やしを覚えるとても好きな場所である。

 ここへ来ると、とりあえず行く場所がある。日生港と日生駅前港の間の海に半島状に突き出た楯越(たてこせ)山に設けられた公園。日生諸島が一望でき、晴れの日は小豆島まで望むことができる。展望広場の上段には「幸せの鐘」が1927年から設置されている。

 日生諸島を眺めた後は「五味の市」へ。漁師町には形は違えど市場はあるが、この五味の市では魚介はもちろん、売り手である漁師さん、漁師の奥さんたちとの会話が飛びぬけて楽しい。買い求めた魚介を手に、近くの店舗のバーベキューで盛り上がるのがお勧めだ。

 バーベキューを楽しむ時間のない人には、日生名物「カキオコ」をお店で体験してほしい。県内屈指の水揚げで知られる漁師町。日生の漁師の奥さんたちが、小さいカキや傷ついたカキをお好み焼きに入れて食べたのが始まりという。トロトロの生地に山盛りの千切りキャベツとカキがたっぷり。ぷりぷり食感とミネラルをたっぷり含んだジューシーなカキの風味が楽しめるお好み焼きを、ぜひ堪能してほしい。

 瀬戸内海に面した街を何度も訪れているが、日生ほど海の青さが美しい漁師町はあまり見たことがない。瀬戸内リゾートとしての素地は十分に備えていると思うが、自然のままの日生も大切かなとも思う。近場の旅に元気をもらう今日この頃、新しい発見も楽しんでいる。

 (ホテル・旅館プロデューサー)



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