吉武英行 五感の旅

和歌山白崎海岸

2021年4月19日
海と青と空の青が異国の風景を演出

 近距離旅行を強いられて1年近くになる。それでもそのおかげで、隠れた名所に出合うことが今では結構病みつきになったように思える。和歌山の友人の薦めもあり、近場という安心感で白崎海洋公園を訪ねた。阪和道を1時間弱、国道42号から車を20分ほど走らせて海岸沿いの県道に出ると、にわかに風景が一変する。別世界に足を踏み入れたような感覚になる。

 和歌山県由良町にある白崎海岸は、白い石灰岩で囲まれた海洋公園を中心とした絶景ポイント。白い岩と紺碧(こんぺき)の空と海が織りなす美しい風景は“日本のエーゲ海”と呼ばれている。筆者は日本の「何々」とか「小京都」だとかで表現するのはあまり好きではない。その場所での魅力をたたえるべきで、他の場所の名前を借りた表現など愚の骨頂。

 しかし、まるで異国のような海辺の絶景には驚嘆だ。海に突き出た巨大な石灰岩の岬を見るだけでも圧巻だが、これに加え、透明度抜群の海の青、突き抜ける空の青が異次元の風景を強烈に表現している。人間が誕生するもっと昔、恐竜時代の2億5千万年前に「白崎海岸」はできたと聞く。白く輝く海岸の景色は「平成百景」にも選定。万葉の歌にも詠まれ、さらに「日本の渚(なぎさ)百選」「日本の夕陽百選」「瀬戸内夢五十選」にも選ばれている。

 特にシンボルの「立厳(たてご)岩」は、天然の一枚岩が侵食され中央に穴が開いた奇岩。ついでだが、駐車場入り口にあるパークセンターで食す、紀伊水道で取れたシラスを使った丼と由良沖の天然足赤エビの白崎カレーはお薦めだ。関西圏からは気軽に行ける距離、ぜひドライブがてら訪ねていただきたい場所である。

 (ホテル・旅館プロデューサー)



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