吉武英行 五感の旅

これからの新人教育

2021年6月28日
これからの新人教育は“一から”が必要だ

 梅雨の真っただ中にあって、衛生面の管理には特に注意が必要な季節。先日、チェーン展開しているアイスクリームショップでカップに入ったアイスクリームを購入した。若い店員はアイスクリームを詰めたカップを、何度も計量器に乗せては入れたり出したり…。容器のカップは縁も外側も溶けたクリームでベタベタ状態。すると当たり前のように、まな板の上にポンと置いてあった、ウエットティッシュで容器を拭いた。

 製品を包む間、ふと見ると別の店員がそのティッシュでカウンターを拭いていた。それは台拭きだったのだ。「君、容器を拭いたのは台拭きだろ、取り換えなさい」とつい怒鳴ってしまった。これはあまりに不衛生。いつもの習慣に違いない。

 数日後、大手ホテルチェーンのホテルでの会議終了後、客室の視察をする機会があり、数人の関係者と客室清掃中の部屋をのぞいた。日本人とアジア系の人がペアを組んでの作業中であった。ここでも冒頭のアイスクリームショップの店員と同じ行動を見ることになる。

 水回りの清掃を見学し、ベッドメークにかかる時間などをチェックしていると、サイドテーブルに設置しているグラス、湯飲みを拭きあげているのだが、拭いている布は先ほど水回り、浴槽、トイレを拭いていたものだ。目が点になるとはこういうことかと驚きが最高潮に達する。

 こういった場所では、清掃や調理場などわれわれユーザーの目に触れないだけになおさら注意してほしいと思う。梅雨時の現在は、衛生面の教育は特に重要。これからの新人教育は「この程度は知っているだろう」という考えは思い切りよく捨てて、「何も知らない」ということを前提に一から教える。それが必要ではないだろうか。

 (ホテル・旅館プロデューサー)



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