吉武英行 五感の旅

岐阜・「モネの池」

2021年7月5日
不思議な美しさを放つ「モネの池」

 モネの池は2度目の訪問である。まだ世間に知られていない20年程前に訪れた記憶がある。

 ここ5年程の間ににわかに有名になり、話題の多い場所になってきた。アクセスは美濃ICを下車し、国道156号、県道81号、国道256号から関市板取白谷へ至る行程。ほとんど山道を走る状態で混雑、渋滞は皆無である。

 「モネの池」は、岐阜県関市の根道神社山道脇にある貯水池だ。高賀山の伏流水を利用してかんがい用に整備された。「モネの池」は通称であって正式名ではない。地元では単に「池」と呼んでいるそうだ。

 20年ほど前に雑草が生い茂っていたが除草を行い、スイレンやコウホネを植えた。池で泳ぐコイは地元住民が持ち込んだものらしい。観光目的で作られた池ではなく、偶然が積み重なり、クロード・モネの後期の「睡蓮連作群」と似た池になったという。

 池の大きさはテニスコートより少し大きめ程度であり、常に湧水が流れ込み、湧水池となっている。このため年間水温が一定で、冬季に咲いた花は枯れにくく、コウホネが冬に咲くと黄色からオレンジ色、赤色と色も変化する。また、日の傾き、池の水量によって水の色も変化するとのこと。池の透明度が高い理由は、高賀山の山体が流紋岩で構成されており、そこからの湧水には養分が含まれず、微生物が育たないことが要因であるという。確かに不思議な美しさを放つ池である。

 2014年、関市の観光客数が266万人だったのに対して、16年には339万人となり、モネ効果で73万人の観光客増加につながったと説明している。元来、観光地ではないため、駐車場の整備がされていないが、逆にそれがいい自然美を与えてくれる。透明感豊かな水の色が変化する晴れの日に訪れることをお勧めしたい。

 (ホテル・旅館プロデューサー)



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