吉武英行 五感の旅

1泊3食

2021年10月18日
高齢女性グループのニーズは「1泊3食」

 ホームページで見つけた。「1泊3食」という商品。旅館に着いて夕食を食べて、次の日の朝食を食べて、昼に食べる。朝食後は宿泊した部屋を出て、別の休憩用の部屋へ移動し、ゆっくり休憩もよし、温泉に入るもよし、散策もよし、ということか。最後の昼食はお弁当とかおそばとか軽めのものである。しかし、私事で言うならば、昼すぎまでその旅館にいなければならないというのも不自由な感じがする。

 どういう人が「1泊3食」を利用するのだろうと思っていたら、知人の78歳の女性が言う。「自分たちの小学校時代の同級会を年一回温泉でやるけど、この10年くらいは1泊3食だね」と。温泉以外はおしゃべりで過ごしているとか。せっかく集まるのだから、できるだけ長く一緒にいようということから、なんとなく「1泊3食」になったという。

 予算はだいたい一人1万7千円くらいだそうだ。旅館の「1泊3食」のニーズはこういうところにあったのかと感心する。あんまり大きな旅館で、お風呂までエレベーターを乗り継ぐようなところはいやだし、選ばないのだそうだ。これからこういった高齢者の女性たちのニーズが結構増えるのではないか。

 旅館にとっては、今までは空いていた時間、場所を活用するわけだから負担は少ない。昼食を提供し、3〜4千円くらいの単価アップが可能であれば、十分に勝機が見いだされるのではないだろうか。お客さまもうれしいのだから、両方が幸せになる。やっぱり女性グループがターゲットだ。対応可能な旅館は、高齢女性グループの予約が入ったら、とりあえず1泊3食を積極的にセールスしてみてはどうだろう。

 (ホテル・旅館プロデューサー)



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