吉武英行 五感の旅

常連客は大切に

2021年10月25日
旅館も常連客づくりが大切

 繁盛している飲食店は常連客がほとんどだ。繁華街の人通りの多い立地条件で、常連が半分でいちげん客が半分くらい。立地条件の悪い所だと、基本的に常連客ばかり。もちろん、いちげん客や常連に連れられてやってくる初めての客もいるが、その割合は非常に少ないという。

 お客さまはいい店を探していて、常連客になりたがっている。そして知人にいい店を知っているからと自慢する。それでお客さまが増えていく。そうやって繁盛店になっていく。常連客が店を支えていく。常連客が大事なのは旅館も同じではないか。

 しかし、その割に一度泊まった人に対してのアプローチが控えめなのはなぜだろう。筆者の経験では、初めて泊まった宿から、その後DMが来る率は非常に低い。もちろんDMを季節ごとに送ってくる宿もある。

 チェックアウトのとき、宿の女将(おかみ)は「ぜひまた来てくださいね」と笑顔で見送ってくれた。でも、その後連絡ひとつ(DM)よこさない。あの言葉はうそだったのか…というほどではないが、DMが来ると「あ、覚えてくれていた」という気分にはなる。そこがお気に入りの宿であるなら、そのうちまた行ってみようという気になるというものだ。

 最近は旅館のあるじブログや女将ブログとして、ネット上で情報を発信しているところが多い。読んでみると身近な情報をいろいろ載せてくれて面白いが、普通のお客はブログを読んでいないと思う。せっかくの有意義な情報も伝わらなければ意味がない。常連客をつくるには、来てくれたお客を満足させることが大前提だ。

 しかし、チェックアウトして「はい、さよなら」では、あまりにもったいない。DMを送るのは一番簡単な常連づくりの販促と思う。ただし「宿からの季節のお便りを送ってもいいですか?」という確認は忘れずに。

 (ホテル・旅館プロデューサー)



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