吉武英行 五感の旅

広島、帝釈峡

2021年11月22日
日本一の大きさを誇る天然の橋「雄橋」

 秋の紅葉が進む中、中国自動車道を西に向かい広島県庄原市東城町と上石郡にまたがる国定公園「帝釈峡」を訪ねた。中国山地の中央に位置する全長18キロメートルの峡谷。国の名勝にも指定される比婆道後帝釈国定公園。石灰岩台地が深く浸食されて形成されたカルスト台地が広がり、鍾乳洞や渓水の浸食作用によってできた巨大な天然の橋「雄橋(おんばし)」のほか、人造湖とは思えない自然と調和した景観の神龍湖(しんりゅうこ)がある。

 渓流沿いの遊歩道が整備され、石灰岩地帯特有の景観をめでながら散策ができる。遊歩道を進むと、帝釈峡の代表的な鍾乳洞「白雲洞」や高さ8メートルの洞門「鬼の唐戸」などがあり、そこからさらに約20分で上帝釈峡の一番のスポット「雄橋」が迫力ある姿を現す。

 「雄橋」は、隆起と浸食作用によってできた長さ90メートル、幅19メートル、高さ40メートルもある日本一の大きさを誇る天然の橋。「神の橋」とも呼ばれる国の天然記念物だ。さらに進むと、急流が美しい「断魚渓(だんぎょけい)」や鍾乳洞からの水が流れる落ちる「素麺滝(そうめんだき)」を見ることができる。

 紺碧(こんぺき)に輝く湖面上に深紅の橋が印象的な神龍湖。三つの赤い橋(神龍橋・桜橋・紅葉橋)を渡って湖を一周する散策もよし、遊覧船やカヤックで両岸にそびえる断崖や奇岩などの変化に富んだ渓谷美を湖面から間近にめでることもできる。秋色に染まる渓谷と紅葉を映す湖面とのコントラストは必見だ。

 帝釈峡の周辺には、多くの観光スポットが点在。老舗の和菓子屋や酒蔵のある城下町東城の町並み散策、観光リンゴ園、自然体験型公園「神石高原ティアガルテン」、道の駅もユニークで見どころたくさんの場所である。

 (ホテル・旅館プロデューサー)



サイト内検索