吉武英行 五感の旅

奈良・大神神社

2022年1月18日
パワースポットの空気感みなぎる大神神社

 冬の寒波が染みる頃になると、意味もなく奈良が恋しくなる。何も予定がない日曜日、桜井市へ向けて車を走らせる。松原インターから西名阪自動車道天理へ、天理から国道169号で約14キロ、30分足らずで三輪参道に着く。

 歴史ある寺社がたくさんある奈良。その中でも日本最古の神社と言われている大神(おおみわ)神社。ご神体は三輪山そのもので、本殿はなく、拝殿から三ツ鳥居を通して山に向かって拝む。三輪山は国を開いた大物主大神(おおものぬしのおおかみ)(大国様)がみ霊をとどめたという霊山。「パワースポット」と称されるよりはるか昔から「神の宿る山」としてあがめられてきた聖地だ。

 大神神社の始まりは神話の時代にさかのぼる。出雲で国づくりをしていた大国主神(おおくにぬしのかみ)のパートナーである少彦名神(すくなひこなのかみ)が常世に行ってしまい、いなくなった。「これからどうやって国づくりをしようか」と大国主神が途方に暮れていたところ、海の向こうから神様が現れ、「私は大国主神の幸魂(さきみたま)、奇魂(くしみたま)だ。私を三輪山に立派にお祀(まつ)りしなさい。そうすれば国づくりに協力しよう」と言ったそうな。

 そこで大国主神は大物主大神を三輪山にお送りになった。これが大神神社の始まりとされている。幸魂というのは人を幸せにする霊魂で、奇魂というのは、物事を成就する霊魂であるそうだ。そういう訳で、大神神社のご祭神は大物主大神だ。配神として大国主の別名である大己貴神(おおなむちのかみ)と少彦名神が祀られている。

 大神神社で祀られているのは、ご神体である三輪山だ。標高476メートル、周囲16キロメートルの美しい山。一木一草に至るまで神が宿ると言われている。ぜひ「パワースポット」の空気感を味わってほしい。(ホテル・旅館プロデューサー)



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