吉武英行 五感の旅

旅館で感じる臭い

2022年2月21日
部屋での食事はぜいたくなサービスだが、後の臭いが…

 客室数30くらい、1泊2食1万2千円の宿に泊まった。最近の旅館の食事事情は、別室で食事を提供するケースが増えているが、この宿では昔ながらの朝夕部屋出しというやり方。外国人客は部屋出しをルームサービスということで喜ぶ、という話はよく聞く。そう考えれば、ぜいたくなサービスである。

 とはいえ、一つ気になったことがある。それは臭いが部屋に残ること。二間続きの部屋で、主室で食事をしたわけだが、食事の後、ずーっと臭いが残っている。特に強烈なのが、牛肉鉄板焼き系の、固形燃料を使った献立の残り香だ。

 食後に部屋を出て、風呂に行き、戻ってきて部屋に入るとまだ強烈に臭う。この宿だけではなく、今までにも同じような経験をしたことを思い出す。というわけで、宿で臭いが気になったり、いやな思いをしたことがないかを周囲の人たちに聞いてみた。

 まずは予想通り、たばこの臭いが嫌だったという人の話。「前日に部屋を使った人がヘビースモーカーだったようで、部屋にいる間中、たばこの臭いが気になった。カーテン、座布団にも臭いが付いていて」。客室数が多い宿なら、禁煙と喫煙を分けることも可能だが、部屋数の少ないところではそうもいかない。それくらい我慢しろ、という愛煙家の気持ちもわかるが、たばこの臭いを不快だと思う人は多い。

 続いては古い建物特有の嫌な臭い。カビ臭いような、ちょっと湿った感じの臭いが嫌だったと。そして「浴衣の臭いが気になった。もちろんきれいに洗ってあるのだが、少し湿っぽくて嫌な臭いがついていた」との声も。よほどの臭いでなければクレームが付くことはないだろう。

 でも、もしかしたら不快な臭いがしているかもしれない。時にはそういう意識を持って宿の中をチェックしてはどうか。

 (ホテル・旅館プロデューサー)



サイト内検索