吉武英行 五感の旅

和歌山雑賀崎の風景

2022年3月28日
異国情緒豊かな景色が広がる

 和製アマルフィと呼ばれる雑賀崎漁港を初めて訪れてみた。和歌山市内から約15分で異国情緒豊かなこの景色を見ることができる。車で随分とウロウロしながらの迷い道であった。目印は白い大きな橋。この橋の上から漁港全体が良く見え、車を降り、歩きながら振り返ると、まさにイタリアのアマルフィ海岸のような絶景を目にすることができる。

 色とりどりの家の屋根が山の上まで広がっている様は、実に圧巻。和歌の浦からくねくね道を登って行くと、先端に美しい灯台がある。灯台からは和歌山市まで360度を展望することができ、足元には青い海に大島、双子島が浮かび、長く伸びた番所ノ鼻の番所庭園も眺められる絶景が楽しめる。異国船の出入りを見張るため置かれた紀州藩の番所、台場跡がある。

 番所跡は番所庭園として整備され、数々のドラマや映画のロケ地になっているという。番所庭園の北側のトンガの鼻に台場があり、石垣、土塁などが残っている。海の眺望は素晴らしい。旧七洋園前かナカヤマの浜広場から徒歩で行ける。運が良ければリスにも合える。

 歴史を感じる本当にきれいな海岸線だ。複雑な海岸線が美しく、大島、中之島、双子島などはもちろん、淡路島や天候が良ければ四国まで見えるそうな。雑賀孫一で有名な雑賀党の本拠地であった地で、岬には石山合戦で乳蓮如を助けた教如上人が身を隠したとされる上人窟がある。数十年前は有名な観光地でにぎわったが、徐々に観光客が減り閉館した旅館も多く、ロープウエーもなくなった。

 ホテルの部屋から見る地中海風の景色、夕日がきれいであろうと思う。新鮮な魚介の料理を楽しみ、隠れ宿のような落ち着いた時間を過ごせる。そんな思いをはせてしまう絶景の場所である。

 (ホテル・旅館プロデューサー)



サイト内検索