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伝説の物語を思いながら眺める景色は心躍る |
梅雨入り前の貴重な晴れの日、京都北部丹後を訪ねた。「龍伝説」の残る久美浜も気にかかるが、今回は「山椒大夫、安寿と厨子王」伝説の丹後由良海岸を探訪してみた。筆者の住む神戸市から約120キロの距離は、日帰り取材には適当な所要時間である。
中国道から舞鶴若狭道へのゆったりしたハイウエーは程よく心地よい。丹後地方はロマンを秘めた多くの伝説が残るが、その伝説のなかでも安寿姫と厨子王の悲話は、森鴎外の「山椒大夫」でも知られる。山椒大夫の内容は、領主を父に持つ安寿姫と厨子王姉弟の物語だ。
平安時代、安寿姫と厨子王の父は、平将門の乱に加担した疑惑をかけられ、筑紫の国へ追放される。その父を追って筑紫へ向かう途中、人買いにだまされた姉弟が丹後国の山椒大夫に売られ、昼夜問わずの苦役を強いられることに。その時、安寿姫が1日3度の水を汲(く)んだと言われているのが「汐汲み浜」で、近くには「山椒大夫」の一説を刻んだ森鴎外文学碑がある。安寿姫はせめて弟だけでも助けたいと、山椒大夫の目を盗み、厨子王を逃がすことに成功。都に逃げた厨子王は立派に成人し、丹後国主となり山椒大夫を成敗したという話だ。
そんな物語を思いながら走る海岸沿いの道は心が躍る。ここまで来たからには目と鼻の先の「天橋立」まで足を伸ばし、ここまで来たからを復唱しつつ「伊根の舟屋」まで訪ねてみた。「天橋立」「伊根の舟屋」はあまりにも有名な観光地なので紹介は省くが、次回は漁師町で美しい海岸線「久美浜」の龍伝説、一遍上人の伝説など紹介できたらと思う。
丹後半島はロマンにあふれた場所。幾度となく訪れているが、興味がうせないすばらしい場所である。
(ホテル・旅館プロデューサー)
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