キラリと光る★なにわの企業図鑑

 久しく「地盤沈下」と表現されてきた大阪だが、魅力的な企業がめきめきと頭角を現している。商品やサービスはもちろん、近年話題となっている労働環境まで、多彩な展開で注目を集めている。そんなキラリと光る現場に焦点を当てる。

千島土地

2019年1月31日

芸術・文化の集積地目指す 北加賀屋クリエイティブ・ビレッジ構想

ラバーダック 世界の水辺を旅する
 本名は「ラバー・ダック」。オランダの現代美術作家、フロレンタイン・ホフマン氏による高さ9.5メートル、幅9.5メートル、長さ11メートルの巨大バルーン作品。政治的な意味合いで分断される国境など関係なく、世界中の水辺を旅している設定。国内では2009年に初登場し、大阪を中心に展示している。
芝川ビル 登録有形文化財に魅力的な店舗誘致
 江戸時代から大阪の経済活動の中心として栄えてきた、船場地区に建つ芝川ビル。1927年に立てられた近代建築で、2006年に国の登録有形文化財に指定された。魅力的な店舗を誘致しており、夏から秋にかけて開かれる同ビル屋上のビア・ガーデンでは、レトロビルの雰囲気とベトナム料理が人気だ。(増田好郎氏撮影)
春の船場博覧会 北船場ゆかりの九家に伝わるひな人形を展示
 北船場ゆかりの九家に代々伝わるひな人形を、八つの会場で特別展示する「船場のおひなさま展」が2月26日〜3月3日、開催される。芝川家のおひなさまは芝川ビル(大阪市中央区)で公開される。地元でつくる「春の船場博覧会」の一環。

 千島土地(大阪市住之江区)は所有する広大な土地資産を活用し、土地や建物、航空機の賃貸事業を展開している。一方で、同区北加賀屋で2009年から、「北加賀屋クリエイティブ・ビレッジ構想」をスタート。アート関係者に土地や建物を安価で提供することで、芸術・文化の集積地を目指している。11年には同構想が評価され、「企業メセナ大賞」を受賞。「フットワークとフレキシビリティー」を武器に、所有する不動産の価値の向上と地域社会への貢献の両立を図っている。

経営にもアートは大事

千島土地 芝川能一社長

 −広大な土地を保有している経緯は。

 「千島土地を設立した芝川家は江戸時代から続く大阪の商家。かつては(貿易を行う)唐物商だったが、土地の価値が定まらない時代から、土地に資産を集約した。1912年に株式会社にしてから100年を越える」

 −アートを支援するきっかけと方法は。

 「工場などの返還の話があり、その時に、原状回復を求めず、アーティストに貸すことにした。こちらも土地の価値を上げるために他の地域との差別化が必要。比較的安価で提供し、自由に改装してもらい、退去時の原状回復は不要にしている。現在、約40の物件でカフェやギャラリーなどさまざまな活動が展開されている」

 −アート支援の感触は。

 「知らない分野だったが、アートは経営にも大事だと考えており、社内にアート鑑賞プログラムを立ち上げる。現場に行くのが好きで、同じものを見ていても、見えているものが違うところが面白い。少しずつ価値観が広がっていく。(壁に作品を描く)ウオールアートなども増えており、若い人たちが来るようになった」

〈千島土地概要〉
■住 所 大阪市住之江区北加賀屋2の11の8
■社 長 芝川能一
■設 立 1912年
■資本金 4800万円

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