澪標 ―みおつくし―

自分を大切にするって、どんなこと?

藤田 美保
認定NPO法人 箕面こどもの森学園 校長
2018年5月18日

 「自分を大切にするって、どんなことだと思いますか?」と聞かれたら、皆さんは、どう答えますか?そんなこと考えたこともない、そんなこと考える余裕がないという人が多いのではないでしょうか?

 民主的に生きる市民を育むことを目指すオルタナティブスクールである箕面こどもの森学園では、子どもたちが入学してきたときに、「まずは、自分を大切にしてほしい」ということを、最初に伝えます。

 ネイティブ・アメリカンの教えに、「神様は、一番大切なものを7番目の方角に隠した」というものがあります。7番目の方角とは…。東西南北で四つ、上下で二つ、合わせて六つの方角が定まります。そうすると、7番目の方角とは、つまり自分自身の中。子どもたちには、そこに何があるのかを探し、向き合っていくことが、自分を大切にすることになると伝えています。

 新学期が始まった4月。1年生〜3年生までの約20人が学ぶ低学年クラスで、「自分を大切にするって、どんなこと?」というワークショップをしました。まず初めに、自分を大切にしていない状況について考え話し合ってから、自分を大切にするってどんなことだと思うかを出し合っていきました。

 子どもたちからは、驚くほどたくさんのアイデアが出てきました。まずは、お花見、遊園地、動物園、プールなど、「行きたいところに行く」ということ。続いて、テレビやDVDを見る、ゲームをする、友達と遊ぶ、おもしろい話をするなど、「やりたいことをやる」ということ。お菓子をいっぱい食べる、ごはんやおいしいものを食べるなど、「食べること」。はしゃぐ、跳び上がる、踊る、笑うなど、「楽しいこと」。中には、「忍者に会って、忍術を教えてもらう」という子どもならではのものがあったり、「家族と過ごす」というほっこりするものもあったりしました。

 そんな中、子どもたちから出てきたのが、「思ったことや、意見をちゃんと言える」、「嫌なことは断る」というもの。この二つは、大人でもなかなかできないですよね。小学生のときから、この二つが自分を大切にすることにつながっていることを知っているって、すごいことだし、これからどんな人に成長していくのか、子どもたちの将来が楽しみになりました。

 大人の私たちは、「自分を大切にするって、どんなことだと思いますか?」といきなり聞かれても戸惑ってしまいますが、子どもたちの姿から、「自分を大切にする」って、難しいことではなく、実はすごくシンプルなことだと教えられている気がします。

 これを読んでくださったみなさんも、行きたいところに行ってみませんか?やりたいことをやって、食べたいものを食べて、楽しいことをしてみませんか?そして、思ったことや意見を言える、嫌なことは断れる、そんな勇気を少し持ってみませんか?まずは、できることから、簡単なことから、ぜひ始めてみてください。

 (ふじた・みほ、大阪府箕面市)



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