澪標 ―みおつくし―

野球にまつわるエトセトラ

藤田 ツキト
株式会社シカトキノコ   クリエイティブディレクター
2019年7月1日

 突然ですが、私は死ぬまでにプロ野球の球団経営に関わりたいという夢があります。できれば既存のチームではなく13球団目の新球団で。突然過ぎましたが妄想するのは自由! 言っちゃいました。

 さて、私が野球ファンになった要因はいくつかありますが、ルーツは祖父が西宮でグローブの修理職人をしていたことです。私が3歳の時に亡くなったので記憶がありませんが、父いわく、当時南海ホークスの野村克也さんのキャッチャーミットや、高校球児だった江夏豊さんのグローブなどを修理していたそうです。祖父は阪神タイガースファンだったので父にもファンになるよう勧めましたが、父は残念ながら野球には興味がない鉄道好き。しかし阪急電車が好きだったことから、回り回って阪急ブレーブスを応援するようになったそうです(そんなパターンもあるんですね…)。

 その後、阪急は身売りでなくなり、なんとなく阪神ファンになった父の影響で、私も小学生の頃から野球を見るようになりました。応援していたのは阪神(暗黒時代まっただ中)でしたが、1997年に阪神・淡路大震災で被災した時は、「がんばろうKOBE」を合言葉に、イチローさん率いるオリックス・ブルーウェーブに勇気付けられたのを昨日のことのように覚えています。

 小学生からずっと野球が好きで阪神を応援していましたが、2003年に18年ぶりのリーグ優勝を果たした後、強くなった阪神に気が抜けたのか、野球への興味を失っていた時期がありました。その頃たまたまオープン戦を見に行く機会があり、なんとなく千葉ロッテマリーンズ側のスタンドに座ったときのこと。それまで全く知らなかった千葉ロッテの応援に紛れて声を出していると、なぜかものすごい一体感と共に、初めての応援スタイルにとてもワクワクしました。その時に気付いたのです。野球は阪神ファンだけではないことを。日本全国それぞれのまちに球団のファンがいて、球団はまちのファンと一体で存在するということ。当たり前のことですが、阪神ファンでしかなかった自分にとっては、目からうろこの体験でした。そしてもっと、いろんなチームのファンの気持ちが知りたくなったのです。

 今では家族旅行を視察旅行と称して、年に2〜3回全国各地の野球場に足を運んでいます。大阪・広島・名古屋・埼玉・東京のほか、地方球場がある鳥取にも行きました。そして必ずその試合のホームチームのグッズを買って、「もし自分がこの地に住んでいたら、このチームのファンになるかどうか」を勝手に検証しながら観戦します。そうすると不思議なことに、まちや人に愛されている球団経営をしているかどうかを肌で感じることができるのです。

 今月は岐阜の長良川球場で、読売ジャイアンツVS東京ヤクルトスワローズ戦をホームのジャイアンツ側で応援する予定です。こんな阪神ファンはいないかもしれません。しかし、デザインでまちづくりをしている私にとって、野球ほど年間を通じた集客力があり、多くのファンと一体になってまちを盛り上げられるスポーツは他にないと思っています。何より対戦チームは敵ではなく仲間。仲間がいなければ試合ができません。

 今から15年前、合併問題で揺れるプロ野球界に「新規参入」の可能性を最初に提示してくれたのは紛れもない野球ファンのヒーロー、ホリエモンこと堀江貴文さんです。それなのに15年たった今も、日本に新球団が誕生していないことが残念でなりません。堀江さんもきっとこう思っているはず! 本気で地方創生を考えるなら、もっとまちにプロ野球チームを増やしませんか? 大企業の社長さん、お願いします! そして新球団設立の際には、ぜひ私も巻き込んでいただけたらうれしいです!

 (ふじた・つきと、大阪市東成区)



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