澪標 ―みおつくし―

経営理念と世代間のとらえ方の違い

釡中 利仁
公認会計士・税理士
2019年12月30日

 年の瀬を迎えて皆さまはいかがお過ごしでしょうか。中小企業経営者に向けたコラムも3回目となりました。本年においては平成の御代が終了し、新たな元号を迎えたわが国は大きな祝福の中で令和の元年を終えようとしています。令和2年中には在任日数が3千日を超えようとしている憲政史上最長の安倍晋三首相が、大阪にて開催されたG20サミットにおいて世界有数の長期政権の首相として議長を務められたことは皆さまの記憶にも新しいと思います。

 一方、経済においては米国と中国の覇権争いとなっている貿易摩擦が世界経済に大きな影響を与え続けており、来年に向けても不透明さはぬぐえません。また、わが国においても消費税率が8%から10%へ上がったことの影響もあり、長期的に安定してきた経済成長に陰りが見え始めています。令和2年は今まで以上にまして急速な変動が起こると言われています。

 この激変の時代においても持続的な発展のために中小企業経営者が取り組むべき課題は、自律的な判断力をもつ組織を導いて行くことであると前回までのコラムでお話してきました。組織を導く力こそがメンバーが共感できる組織の存在目的であり、これを形にしたものの一つが経営理念であると考えます。ただ経営理念を掲げることの影響力は非常に大きいため、中途半端に掲げることは組織をまとまりのない集団にしてしまう可能性があるということを理解するのは非常に重要なことです。

 価値判断やものごとの判断には多様性があり一人一人が違います。経営理念は価値判断によりその解釈は大きく異なってくる可能性があるからです。つまり経営理念の浸透は継続的に行い続けなければならず、これを中途半端に止めてしまうと当初意図せぬ解釈や目的意識の統一が図られずバラバラな組織となる可能性があるからです。

 皆さまはミレニアル世代という言葉をご存じでしょうか。団塊世代やバブル世代と同じく特定の時代に成人を迎えられた世代をさす言葉でこれまでの世代とは大きくその特徴が違うと言われています。1980年生まれ以降を指すようなので私自身もミレニアル世代になるようです。

 ミレニアル世代の特徴は、これまでの世代とは大きく違う価値観・ライフスタイルや働き方への考え方をはじめ幼いころからデジタルに触れて育ってきたということが挙げられます。この世代の経営者の方々が掲げられた経営理念がそれ以外の経営理念と違う切り口であるという視点も非常に面白いと感じております。

 ミレニアル世代はこれからの社会の担い手となる40歳未満の方々です。組織の持続的な成長に必要な経営理念の浸透にはミレニアル世代の考え方を理解し、ミレニアル世代に向けた説明を行うことが一つの答えになるかもしれません。次回は令和2年春ごろの掲載を予定しております。皆さまよいお年をお迎えくださいませ。

 (大阪市中央区、かまなか・としひと)



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