澪標 ―みおつくし―

一番大事なのは続けること

釡中 利仁
公認会計士・税理士
2020年4月6日

 東京オリンピックが1年間の延期となりました。新型コロナウイルスの影響が世界中に広がり、リーマンショックを超えるやもしれない経済混乱に発展すると予測した人が世界中にどれだけいたことでしょうか。新型コロナウイルスの本当に恐ろしい影響は、そのウイルスから病気になること自体でないかもしれません。未知の恐怖への世界中の反応が個人個人のさらなる恐怖を作り出し、社会的に経済的に生きることができなくなる人々が生まれることが本当の恐ろしさなのかもしれません。

 私は税理士という職業柄、中小企業の経営者を通じて新型コロナウイルスの影響を感じております。飲食業やサービス業がインバウンド需要の消失、国内会合自粛や延期により事業存続危機に追い込まれています。建設業や製造業にも、材料調達の遅延や新規投資のストップからこれからの受注減少が危ぶまれる状況です。

 事業者にとって一番大事なことは、継続することであると感じております。クライアント、お取引業者も従業員ご家族たちの信用の基礎は事業の継続があってこそつながっていくものだと日々感じております。この思いがけない苦境にどう立ち向かい、チャンスを見いだすのか。そして事業を続ける責任を果たすのかを試されていると感じます。

 政府もこれを後押ししており、種々の緊急対応施策を打ち出しました。ご存じの方々も多いかと思いますが、その一部を紹介いたします。ご関心のある方は「コロナ対策 経済産業省」で検索をするとより詳細な情報が手に入ります。その他顧問税理士などの専門家へお問い合わせください。

 (1)資金繰り支援

 事業の継続はお金が巡ることです。売上減少でお金が一時的に足りなくなった場合の対応策として、平時には実施されない資金繰り対策が行われております。

 ・セーフティネット保証(特別枠信用保証協会付き融資)

 概要…月次売上が前年対比で5%(または20%)以上減少していることを本店の市区町村にて認定を受けることにより一般枠とは別枠で最大2・8億円の銀行融資を受けることができます(さらに別枠危機関連保証として2・8億円融資もあります)。

 ・無利子・無担保融資(日本政策金融公庫/商工中金による低金利融資+利子補給)

 概要…(A)直近1月の売上が前年(前々年)同月比5%以上減少または(B)業歴が1年未満の場合は直近1月の売上が過去3カ月平均売上、令和元年12月の売上、令和元年10月〜12月の平均売上のいずれかより5%減少している方は、基準金利から0・9%引きの超低金利にて融資を受けることができ、さらに利息分を後日利子補給として返金してもらえる制度です。

 (2)設備投資・販路開拓支援(設備投資や販路開拓のための経費を一部負担)

 ・ものづくり・商業・サービス業補助

 概要…新製品・サービス開発、生産プロセス改善のための設備投資支援です。補助上限1千万円、補助率1/2(小規模事業者2/3)。

 ・持続化補助金

 概要…小規模事業者の販路開拓のための支援、補助上限50万円、補助率2/3。

 ・IT導入補助

 概要…テレワークツール等の業務効率化ツールへの設備投資支援、補助上限450万円、補助率1/2。

 この他にも、雇用調整のための助成金等の支援策が準備されております。困難な状況こそ事業を継続することへの力試しが行われております。支援策も活用して、従業員や取引先一丸となって絶対に乗り越え続けて参りましょう。

 (大阪市中央区、かまなか・としひと)



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