澪標 ―みおつくし―

平穏な毎日を願って

安井 潔
医療法人弘清会 四ツ橋診療所院長
2020年6月29日

 新型コロナウイルスの影響で生活が大きく変化しました。このウイルスの対策としてよく言われたのが「人と接することを減らせ」ということです。簡単のように聞こえて難しい。「ソーシャルディスタンス」「会話を減らせ」など、人とのコミュニケーションをとることさえ控えなければならない世の中になってしまいました。それでも診療は続けていかなければなりません。私が院長を務めます四ツ橋診療所でも、「こんなことでさえも控えなければならないのか…」と難しさを実感し、さまざまな葛藤がありました。

 四ツ橋診療所では人とのコミュニケーション、つながりを非常に大切にしてきました。顔なじみの患者さんも少なくありません。医療の話にとどまらず、世間話や家庭の愚痴(?)も聞いたりする、そんな日もありました。地域交流の一環として毎月1回、診療所内の待合室で開催してきた「かけはしカフェ」も新型コロナウイルスの影響で当面の間、開催ができなくなってしまいました。寂しさもありますが、今は我慢の時でしょう。

 このカフェでは常連の方も、初めてふらっと立ち寄ってくれる方もいらっしゃいます。介護の悩み、子育ての悩み、ちょっとした体の不調など相談内容もさまざまです。参加者同士でお話をしたり、演奏会などの企画・交流を通してつながりを作っていきます。何事にも一人で抱え込まないことに気をかけています。

 子どもからお年寄りまで年代を問わず交流できる場所、そんな意味合いもあります。しかし、そんなことも控えた方が良いとのことから、以前のように開催できなくなってしまいました。とても気掛かりです。万全な対策をとり、みなさんが安心して参加できるように、再開を目指し取り組んでいきます。

 人とのつながりの大切さを改めて感じました。新型コロナウイルス騒動の収束にはまだ時間がかかるでしょう。そんな長期戦の中で新たな生活様式の確立、これまでしてきた生活を変えていかなければなりません。最近では若者を中心に「オンライン飲み会」というものが普及してきているそうです。直接会わずに交流できるのはとても便利です。もちろん「オンライン会議」も活用していきたいと思います。

 いつかまた、これまでの普段の生活ができる日を心待ちに、今できることに取り組んでいきます。こんなご時世、スマートフォンなど便利な物の普及に伴い、人とのつながりが薄れてきていると言われる上に、新型コロナウイルスの影響によってより人と接することに対して壁ができてしまっています。

 しかし、それでも人は人との関わりをなくすことはできません。新型コロナウイルスの影響でピリピリした空気に息苦しくなることもあるけれど…、万全の対策をとりながら、今日もいつもの日常として過ごしていきます。診療所の近くで目にしたポスター「コロナに負けない!」に向かって、心の中で「コロナに負けない!!」と気合を入れながら。

 (大阪市西区、やすい・きよし)



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