澪標 ―みおつくし―

人とのつながり、コロナ禍でも広げ深めるには

西山 裕子
MiLIFE(ミライフ)代表
マーケティングPRプロデューサー
2021年2月16日

 2021年1月、早々に緊急事態宣言が発令され、現在もいつ解除されるか分からない。店では静かに食事をと、「黙食」が呼びかけられている。読者の皆さまは大阪に住む方がほとんどだと思うが、関西人にとって「黙って食事をしろ」というのは、拷問ではないだろうか。ボケとツッコミを交わし、ワイワイと食事するグループをあちこちで見かける。私も会食が生きがいの一つであり、多少嫌なことやつらいことがあっても、それをネタに笑い飛ばして、救われている。

 取引先と昼頃の会議があったので、「その前にランチをご一緒しませんか?」とお誘いしたところ、「時節柄、個別で食べて会議室で集合しましょう」と断られてしまった。とてもショックだ。最近、4日連続で“ボッチ飯”を経験した。とてもさみしい。店に入る時「お一人さまですか? カウンターにどうぞ」と、一人客が密集した席に誘導されるのも悲しい。テーブル席は空っぽで、グループ客など来ない。「一人客はカウンター」というマニュアルを順守するのも、いかがなものか。変化への対応が必要と、一人狭いカウンターで食べながら思う。

 お客さまとの打ち合わせやメディア取材も、オンラインばかりだ。先日話した大阪の新聞記者は、「以前はすべて訪問したので、1日2〜3件が精いっぱいだった。奈良の会社の取材には、移動に一日取られることもあった。しかし、今はまずオンラインで話を聞き、良かったら訪問するので、時間を有効に使える」と前向きだった。実際、私も昨年10月に東京のテレビ局のディレクターを紹介してもらった時、オンラインであいさつをし、関心のあるテーマをお聞きした。11月に東京で会い、取材を受け、番組で放映されることになった。

 筑波大学が昨年夏、テレワークについて4343人に調査したところ、導入に8割が満足しているとの結果だったという。しかし効率の良さを評価する一方、初めての人との関係を深めることが難しいなどの意見も挙がったという。そう、お互いを知って、関係を強化するには、対面で会う方が良いと思う。オンラインで広げ、オフラインで深めるハイブリッド方式が、最も有効ではないだろうか。

 ところで私は2015年から「関西広報100研究会」という、関西の広報担当者が集まる勉強会を主宰している。「100」の意味は、100回メディアに出よう、100人の記者と会い、100人の会員とつながり、100回の研究会を開催しようというものだ。コロナ以降もオンライン開催で継続し、2月24日には54回目の会がある。今回は感染対策を万全にし、会場とオンラインで同時中継する予定だ。

 会って交流したい人、遠方からオンラインで聞きたい人、どちらのニーズにも合う形になるだろう。ただし、コロナ前は必ずあった研究会後の懇親会はできない。「さっきの話だけど…」と飲みながら話し、日ごろのストレスを大声で笑う日は、もう少しかかりそうだ。

 (大阪市北区、にしやま・ひろこ)



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