澪標 ―みおつくし―

コロナ禍でも夢を見る天満人!

喜多條 清光
天満大阪昆布 主人
2021年4月13日

 去年の同じ時期には夏が過ぎれば、きっと日常が戻ってくるだろうと、大阪人ならみんな同じような事を考えていたでしょうね。まさか4月5日より「まん延防止等重点措置」が、大阪市に発出されたとは今でも信じられません。今年古希を迎えた僕は、還暦の折に天から与えられた残りの人生を、すべて「昆布」と「天満」だけに懸けようと決心しました。

 三度の飯より好きだった全ての演芸からも遠ざかり、浴びるほど?(の)んでいたお酒も一切断ち切りました。毎年7月25日に行われる天神祭奉拝船運営も、昨年は中止となりましたが今年はどのような形で行われるのか心配です。いよいよ当分の間「昆布」に“全集中”ですが、リアルな対面型の販売も全くできないのが現在の状況です。

 弱音を吐いていても誰も助けてくれません。ここは生粋の天満人として気持ちの良い夢を見ることにしました。僕に今できることは「昆布」だけですので、誰もやったことのない“昆布ワンダーランド”を展開してみたくなりました。

 それは天満の地から、日本中どころか世界中に向けての昆布発信基地づくりです。去年10月に天神橋筋1丁目商店街に面する店頭販売兼事務所を思い切って1階より2階に引っ越し、元の1階は倉庫と作業場に変更しました。

 表にある僕の真っ赤なエプロン姿の等身大パネルには「事務所は2階です!」の看板が掲げてあります。そうだ! 2階にある応接間を昆布発信基地にしようと、応接セットもデスクも全て空っぽにして専門業者さんにコロナ対策の清掃もしてもらい、仲間たちとオンライン昆布発信基地の夢を毎晩オンラインで語り続けました。

 世界で初めてZoom、YouTubeライブ、facebookライブなどで昆布を使った和・洋・中・エスニック料理の新レシピを消費者に双方向で配信できる昆布スタジオ構想や、プロの料理人さんと一緒に画期的な料理を創作するなど、夢はどんどん膨らんでいきました。夢見る天満のおっさん集団が出来上がりました。

 しかし、10日目にハッと気づきました。すてきな夢はあるけれどもお金が無い。お金があっても夢がないよりよほどましだと、強がりを言いながら過ごしています。

 昆布を買って乾物の街・天満に昆布発信基地をつくらせてください?

 (大阪市北区、きたじょう・きよみつ)



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