澪標 ―みおつくし―

五輪・パラの参加資格は?

真田 明子
しんあい高等学院/明蓬館 SNEC大阪・玉造 学院長
2021年6月7日

 オリンピックまで約2カ月、パラリンピックまで約3カ月です。開催有無については賛否ありますが、開催に向けて感染対策を含め、体制をつくっていらっしゃると思います。

 オリンピックは障害の有無に関係なく、参加資格(要件はあります)があります。実際、パラアスリートの中で、オリンピックに出場し、活躍している人もいらっしゃいます。

 生まれつき耳が聞こえない南アフリカ共和国の競泳選手、テレンス・パーキンは、オリンピックとデフリンピックの両大会でメダリストに輝いたデフアスリートです。

 先天的に右腕が肘までしかない状態で生まれたナタリア・パルティカ選手は、オリンピックとパラリンピックに出場した史上初の卓球選手です。

 オリンピックに出場したからといってすごいというわけではなく、参加資格があるということです。(すべての障害者が参加できるわけではありません)

 一方、パラリンピックは障害のある人しか参加資格(要件はあります)がありません。パラリンピックは障害者のスポーツ競技大会なので、視覚障害や脳性麻痺(まひ)、運動機能障害、切断などの障害のある方が出場することができます。知的障害者は水泳、陸上競技に出場することができます。現在は聴覚障害者、精神障害者の場合は参加することができません。

 私は発達障害、精神障害のある人の改善の一つにスポーツは有効だと考えています。聴覚障害者には、デフリンピックがあります。同じように発達障害、精神障害のある人のスポーツの大会があればと思います。さまざまなスポーツを体験し、身体を動かすことで得られる爽快感や人との交流からコミュニケーションがうまれます。

 実際、精神障害者のフットサル「ソーシャル(精神障害)フットボール」が行われています。「こころの病」に対するフットボールを用いた本格的な取り組みは、精神障害者のフットサル大会という形で、2007年に大阪から始まり、たちまち全国に波及し、医療機関や施設に関係なく地域単位で構成されたクラブチームなどさまざまな形で活動が広がり、フットボールを通して人との信頼関係を築き、自信を培い、夢や希望を実現する力を獲得できるという事例が報告されています。

 日本の障害者数の概数は、身体障害者(身体障害児を含む。以下同じ。)436万人、知的障害者(知的障害児を含む。以下同じ。)108万2千人、精神障害者392万4千人となっています(平成30年版障害者白書より)。精神障害者(発達障害者含む)が年々増えていることから、スポーツを通しての支援は有効ではないかと思います。

 オリンピック、パラリンピックが盛り上がることで、誰もがスポーツを見る、体験する、楽しむことが、日本文化として根付いてほしいと願います。それが、東京オリンピック、パラリンピックのレガシーとなれば、国連が取り組んでいるSDGs「誰一人取り残さない」の実現に寄与すると思います。

 次回は最終回となります。このコラムを通して、パラスポーツに興味関心をもっていただけたら幸いです。

 (大阪市東成区、さなだ・あきこ)



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