澪標 ―みおつくし―

自然体生活

みまきんぐ
研究美術家
2021年7月26日

 できることなら自然体で過ごしたい。

 子どもが成長するに従って、いろんな事実に驚かされる。例えばカブトムシの幼虫をもらった。さあ、土はどうする?100均で買う。それはカブトムシの幼虫の専用の土で消毒されたもの。その辺の森の土ではダメなのか?幼稚園でもカブトムシ専用の土を買ってきて育てている。周りを見てもその辺の土で育ったカブトムシはいない。純粋培養のカブトムシ君ばかり。

 植物の苗を買った。土はその植物にあった土が売っている。庭の隅に勝手に植えたらいけないのか?腐葉土も売っている。植物の種を買った。えたいの知れないカラフルな錠剤のようなものに覆われている。種を鳥や虫から守り、発芽に必要な栄養素をコーティングしてあるという。

 さて一軒家を持った。いい家塾のおかげでくぎ一本にもこだわったナチュラルな木の家。シックハウスや結露とは無縁の家。実家横で庭もある。家庭菜園ができる。これぞナチュラルライフ!と思いきや、意外に世の中、普通の家庭菜園をするには添加物が多い事に気がついた。

 自分のイメージに近い自然体な菜園はと探してみると、パーマカルチャー菜園に行きあたった。完璧な自然農法とまではいかないし、完璧な田舎暮らしでもない。これがちょうど良い。

 パーマカルチャーの段ボールコンポストはこの家に来てから続けている。腐葉土と米ぬかと油かすを詰めた段ボールに日々の生ごみを入れて混ぜていく。土の問題はこれで解決。落葉樹の下の枯れ葉と抜いた雑草を積み重ねて置いて下の方の土を腐葉土として使う。全く土を買わなくなったけど、ほとんどの苗も種も育つ。

 初めから群生していた雑草の臭くて嫌われ者のドクダミ。この家に越してくる前はわざわざ買って飲んでいた。今や自生する大切なお茶資源。エキナセア(薬草ハーブ)、レモンバーム、ローズマリーを植えた。年中取り放題、干し放題でいつでも飲めるようにしている。ちょこっと採って食べられるものを毎年何かしら1、2種類育てつつ食べつつ。

 季節のおいしい保存食品も欠かせない。梅シロップ、梅酒の仕込み。庭に毎年この季節になると自然と生えてくるようになったシソを使ってシソジュース作り。

 庭の真ん中にはアートクラスの子たちが掘った池がある。次男が捕まえてきたオタマジャクシを水槽から池に放したら、いつの間にかカエルになっていて、最近ではザリガニも加わった。ヤモリ、トカゲは子どもたちに捕まったり逃がされたりしながら庭のどこかに定住。害虫はチョウかガになるので虫かごで飼って羽化させて放す。害虫からペットに昇格。

 自然体生活。動植物が生き生きとまぶしい庭になってきている!やがて本当にいろいろ採って食べられるような庭になる頃には、そこでDIYしたり絵を描いたり太極拳したりしてほっこり暮らすのが老後の夢。

 でも、なかなか誰もがそんな自然体生活を望んでいるとは限らない。手入れのいらない庭を求める人の方が多いと思う。なので私は誰にも勧めない。参考にしたい方は個人的に言ってください。そういうスタンスの自然体生活だ。

(大阪府茨木市)


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