澪標 ―みおつくし―

日本一目指し挑戦あるのみ

小林 英健
近畿医療専門学校理事長
2021年8月17日

 日本一の柔道整復師、鍼灸(しんきゅう)師の専門学校を目指す船出から14年間がたちました。その中で、学生時代スポーツに関わっていた学生は、就職する時にもスポーツに関わりたい思いが強いことに気づきました。Jリーガーやプロ野球選手に憧れて頑張ってきたものの、ケガなどで夢をあきらめざるを得なくなった時に、次はアスリートを支える立場になりたいと思う人たちが多くいます。そこで、若者たちの夢をかなえようと、まず私や卒業生たちがアスリートに関わり、彼らの目標となるようにスポーツトレーナー活動をすることになりました。

 まずは格闘技から始めました。「スポーツトレーナーさんがいてくれたおかげで思い切って試合に臨むことができました」、「試合前にケアをしていただいたのでいつもより動きが良くなり、良い結果が出せました」と、感謝の声をいただきました。さらに大相撲の琴奨菊関や豪栄道関、豊ノ島関といった大関や幕内力士、プロ野球選手、Jリーガーなどの一流アスリートを診させていただくことになりました。そしてインターハイや高校野球、高校サッカーの全国大会に出場する強豪校に学校としてトレーナー活動をさせていただきました。選手はもちろん監督や顧問の先生方に大変喜ばれ、スポーツトレーナーとしての確かな手応えを感じていました。

 そんな中、2016年にアマチュアボクシング連盟の山根明会長との出会いがありました。最初の出会いの日、会長が腰をかばうように座っておられるのを見て「どこか痛いところがあるのですか?」と尋ねました。「これまで長い間、足に痛みがあり、まっすぐ座っていられない」ということでした。その姿勢を見た私は腰に問題がある、それもかなり状態が悪いと推察しました。いくら自分でも1回では治せないと思い、「私に3回施術させてください。それで症状が変わらなかったら謝ります」と言いました。すると次の日から会長は3日間、近畿医療専門学校に来て施術を受けられました。

 その結果、足の痛みが軽減したということで私を信用してくださいました。2016年はブラジルのリオデジャネイロでオリンピックが開催される年でしたが、会長は私に日本代表選手の施術を任せたい、そして選手が良いというのであれば、公式トレーナーとしてリオに帯同してほしいと言ってくださったのです。

 私は東京の「味の素トレーニングセンター」に足を運んで選手たちを施術しました。選手もとても喜んでくれて、私は公式トレーナーとしてリオオリンピックに参加しました。今年の東京オリンピックでは、フェンシング協会からの依頼で事前合宿から大会期間中も、スタッフや教員たちとともにトレーナーとして代表選手のケアを行いました。プライベートで以前からサポートを続けてきた、柔道金メダリストの阿部詩選手やテコンドー日本代表選手のケアもさせていただきました。

 スポーツには不思議な力があります。日本選手の活躍は私たちの心を高め、思いを一つにしてくれます。アスリートを支えることは日本を支えることにつながります。その大きな思いを胸に、今後アスリートから近畿医療専門学校の卒業生に体のケアをしてもらいたいと言ってもらえるような学校教育を実践していきます。

 日本は「人生100年時代」。大阪市の抱える高齢者の寝たきり問題、介護問題に、柔道整復師や鍼灸師がスポーツや運動を通して健康で文化的な社会を築くことに寄与することが、私の使命です。その思いが真実であるならば、“至誠天に通ず”、これまでの人生のように必要な時に必要な方との出会いがあり、不可能が可能になるような奇跡が起こるに違いありません。

 今年は「集団行動」で知られる日本体育大学名誉教授の清原伸彦先生を校長に招き、技術を伝授するだけではなく、精神・心を磨く人間教育にも力を入れ、技術的にも人間的にも真に選ばれる施術家を育成し、日本一の柔道整復師、鍼灸師の専門学校を目指してチャレンジし続けていきます。

 (大阪市北区、こばやし・ひでたけ)



サイト内検索