澪標 ―みおつくし―

医師会は何をしてる?

澤井 貞子
大阪府眼科医会理事
医療法人沢井眼科院長
2021年9月6日

 今回のコロナ禍で、テレビでも医師会が何かと話題となった。友人からも、「コロナ禍で医師会の活動が見えてない」と言われたが、私たちはコロナと闘う最前線にいる医師の集団であり、この一年半、多くの会員は当然奔走している。

 私は医師会に30年間在籍、うち4年間は地域の医師会長で、現在、大阪府医師会理事を務めている。ここで改めて「医師会」の紹介をしてみる。医師は主に診療する地域(郡市区等単位)の医師会に入会でき、地域医師会と、それがある都道府県医師会、その上の日本医師会の3層構造の医師会に加入する形になる。

 医師会は任意加入なので、全医師が加入しているわけではない。開業医の集まりと言われるが、会員数では勤務医と開業医はほぼ半々。開業医の利益団体と思われているが、そんなことはない。昔、強い発言力のある日本医師会長がいて政府と渡り合い強引な手腕を発揮したのも過去の話で、現在は政府や行政とも是々非々での対応が基本だ。今回のコロナ禍で大阪府医師会も、専門家集団として意見を述べながら、会員とともにできる限りの協力をしている。

 通常、地域医師会は会員に対し、▽厚生労働省や日本医師会からの情報を日々伝達▽学校医の選任▽乳幼児・生活習慣病予防健診等から休日・夜間の救急当番まで行政からの委託事業に出務依頼−などを行っている。また講習会・勉強会のほか、同じ地域の住民を診る医療機関同士の連携や懇親、顔の見える関係づくりも大事な仕事だ。今回のコロナ禍においても、当初はPCR検査場への出務、昨秋からはコロナ疑いや発熱患者さんの検査・診察を各自の医療機関でできる体制を整え、5月から各地域のワクチン集団接種への出務に加え、自院での個別接種への体制を図るなど、大阪府医師会の先導のもと、地域での整備を担ってきた。

 大阪府医師会は、大阪府や大阪市と直接折衝し、地域医師会がこれらの活動ができるように体制をつくり、契約や補償等も含め取りまとめ、その情報を地域医師会に伝える。また、コロナ最前線にいる地域医師会員からの要望や疑問を行政に伝えて調整もしている。現在、大阪府内で500以上の医療機関が自宅療養者への電話・オンライン診療機関として登録し、1600以上が診察・検査医療機関としてコロナ対応をしている。宿泊療養者へのオンライン診療にも出務、病院勤務医と開業医の連携を密に図っている。日本医師会は、政府に対する提言や交渉を担う。テレビには映っていなくても皆、粛々と自分の責務は果たしていると思う。

 日々診療をする医師にとって、病気はコロナだけではなく、コロナ以前と同様に、通常の急性・慢性疾患の患者さんも診ながらの対応となる。しかし、「こんな有事こそ医師として責務を果たす時」と、医師を目指した時の使命感に燃えている会員の先生方があふれている。連日の医師会での会議で熱い論争を聴きながら、日本の医師たちの頼もしさに感じ入る今日この頃だ。

 (大阪市浪速区、さわい・さだこ)



サイト内検索