澪標 ―みおつくし―

女性管理職30%達成を必須にして、企業の勝ち残りを

西山 裕子
MiLIFE(ミライフ)代表
マーケティングPRプロデューサー
2021年10月25日

 先日、女性幹部候補育成研修で講師をする機会があった。全国から集まった18人の女性社員が、新規事業の創出やSDGsの実現などを目指して集中的に学ぶ。私は、マーケティング講座を受け持ち、意欲的な彼女たちと活発に討論をすることができた。

 女性活躍推進が言われて久しいが、日本のジェンダーギャップ指数(2021年)は、156カ国中120位という低さだ。特に、経済分野で「所得の男女平等」「管理職における男女平等」が実現されていない。政府は2020年までに「指導的地位に締める女性の割合30%」を目標にしていたが、未達成に終わった。帝国データバンクの全国1万992社調査によると、2021年7月、女性管理職は8・9%だ。「女性管理職30%以上」を超える企業も8・6%に過ぎない。研修の受講者からも「女性管理職が社内にあまりいないので、他社とネットワークを構築したい」との声を聞いた。

 私自身、参加する会議で、自分以外は全員男性という事が時々ある(昔はもっと多かった)。女性代表のように意見を求められるが、あくまで私の見解だ。3割くらい女性がいれば、より多様な意見が集まるのにと思う。また、仕事を前に進めるにはコネや非公開の情報が重要だが、男性の仲間内で交換されていることが多い。指導的地位の女性が増えれば、女性の中でも情報交換が進むはずだ。

 先の研修では、シャンプーを題材にマーケティング分析を行った。事前に、受講生が使っているシャンプーを聞くと、何と14銘柄に分かれた。薬局で売られている安い物から、美容院限定の1本8千円の物まであった。試しに使ってみようと全部購入すると、すごい額になってしまった。

 シャンプーを選ぶ理由は、「洗髪」という単なる「機能」だけではない。リフレッシュする、気分が華やぐ、自分を大切にしている実感がある、など「情緒的価値」に重きを置く人が多数いた(私はほとんど機能価値しか見ていなかった)。男性にシャンプーを聞いても、ここまで多様な銘柄は出ない。何を使っているかも思い出せない(家にあったから)、ということも多い。

 失われた30年と言われ、日本企業の国際競争力が低下している今、新規事業やイノベーションの創出が求められている。新しい視点、情緒的な価値を見いだすためにも、女性や外国人、障害者も含め多様な人材が必要だ。まずは人口が多い女性、その管理職を30%にするべきだと思う。

 政府の助成金もあるが、申請に手間がかかり額は少ない(1社1回限り30万円)。より多額の支援や減税などができないだろうか。企業側も自社のイメージアップや採用促進のために、積極的に女性管理職を増やし、30%を達成してほしい。変化の多い現在、企業が勝ち残り、進化するためにも、女性の活躍は必須であろう。

 早いもので、このコラムも今回が最後となる。仕事の中で感じたことをまとめる、良い機会だった。お付き合いいただき、ありがとうございます。

 (大阪市北区、にしやま・ひろこ)



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