なにわに生きる 次代につなぐ

 2019年が明けた。平成と新元号をつなぐ節目の年となる。新しい時代をつなぎ、結ぶ年ともいえそうだ。時代が変わろうとする中、次の時代を担う人たちに、何を引き継いでいくのか考える時間でもある。関西地域の中核都市として大阪の発展は欠かせないが、主役はあくまでも大阪に暮らす人たち。本紙では年間企画として「なにわに生きる−次代につなぐ」と題し、今を生きている私たちが次代につなぐものは何かを取り上げる。

第4部「働き方」(2) 仕事と女性   

2019年11月26日

みんなで支え合う

社員の子どもを対象にした会社参観日(プロアシスト提供)=大阪市中央区

 仕事と家庭の両立は働く上で大きなウエートを占める。特に出産を経て職場復帰を望む女性には壁もあった。ソフトウエア・制御機器開発のプロアシスト(大阪市中央区)は創業以来、一貫して仕事と家庭の両立を支援するための職場環境づくりを推進している。育児休業はもちろん、その後の勤務についても柔軟に対応。育休取得後の会社への復職率は「100%」を誇る。

■「大家族主義」

 働きやすさの根底にあるのは、専業主婦から起業した生駒京子社長の「大家族主義」という経営理念。社員旅行や夏恒例の天神祭の花火観賞は、家族が参加可能。社員の子どもを対象にした会社参観日もあり、家族の仕事、そして社員間の相互理解にもつながっている。

 商品事業部機器開発課の宮田愛子課長は産休、育休を経て2017年4月に復職した。育休中に生駒社長との昼食の機会があり、「働くからには今まで通りの責任ある立場でやりとげたい」と自分の意思を直に伝えることができた。「社長に『会社としても期待している』と言っていただけたこと、課長というポジションを空けて待つ仲間がいたことがありがたかった」と振り返る。

 日進月歩のIT業界で、日々激しい競争にさらされているからこそ、生駒社長は「ともに働く社員を失うのは会社として大きな損失」と言う。特に女性に対してはライフステージによって異なる支援を「継続」し、仲間への「感謝」の気持ちを持つよう説く。「みんなで支え合う」雰囲気を醸成し、個々の能力を最大限に引き出している。

■環境が整えば

 大阪市が今年9月に公表した、2015年国勢調査「就業状態等基本集計結果(大阪市)」のまとめによると、女性の労働力率(15歳以上の人口に占める労働力人口の割合)は20歳以上の各年齢階級で上昇。これまで出産、育児期に当たる35〜44歳に大きく落ち込む「M字カーブ」だったが、35〜39歳も70%を上回り、新たなステージを迎えている。

 男女共同参画や関西の女性就業を専門とする追手門学院大(茨木市)の長町理恵子准教授は「大阪の女性労働力率は、企業努力もあり全国平均に追いつきつつある。無業の既婚女性は働く意欲が高く、仕事があり、環境さえ整えば働きたい人は多いはずだ」と分析する。

 ダイバーシティ(多様性)や国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)に対する理解が企業内でも進む中、「男女共同参画も女性活躍という範囲を超えて、男性を含めた働き方全体の問題と捉えることが大事」と指摘。

 今後のポイントは「利用できる制度の運用をどう上げていくか」で、「家事や仕事のやり方の選択肢が増え、それをうまく組み合わせることができれば、男女とも生活の満足度は上がるだろう」と話した。

女性活躍推進法 2016年4月に施行。従業員301人以上の企業に、女性活躍推進に数値目標を盛り込んだ行動計画の策定を義務化した。今年6月に改正法が公布(施行は公布後3年以内の政令で定める日)、義務対象が301人以上から101人以上に拡大される。


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