大阪発 癒やしの温泉巡り

宮城県石巻市 「峠の湯 追分温泉」(上)

2018年2月17日

郷愁感じさせる一軒宿

大自然の中にあり、昔の木造校舎のような追分温泉の建物
木のぬくもりをふんだんに使った素朴さと温もりを合わせ持つ追分温泉の玄関

 私は毎年秋、東日本大震災の東北被災地に、約10人の弁護士と一緒にボランティア法律相談会に訪れている。発災の2011年から昨年まで合計7回を数える。岩手・宮城・福島3県の太平洋側地域を巡る3泊4日のボランティアの旅である。

 今回紹介するのは、昨年訪ねた「峠の湯 追分温泉」。実は同温泉は、泉質の上では温泉法に規定する温泉には該当しないが、本物の温泉宿以上に私の心に残る宿であったことから、ここに紹介する次第である。

 旅の2日目の10月27日午後、宮城県気仙沼市内の公営施設で「集団詐欺被害にあわないために」の講演とそれに続く法律相談を行った後、当日の宿「追分温泉」のある石巻市へとレンタカーで向かった。宿は、同市を流れる北上川の河口に近い北上町から南三陸町へ抜ける翁倉山の峠沿いに位置する。

 私たちは市内にたどり着いたが、途中で暗くなり、昼でも薄暗く、峠への登りカーブの多い対向車もいない細い道を走り続けた。果たして宿にたどり着けるだろうか? 少々不安を感じながら、しばらく進むと急に場所が開けた一軒家の宿「追分温泉」が現れた。

 建物は、横に長いレトロな木造2階建てで、田舎にある昔の木造校舎を思わせる造り。三重県尾鷲市の田舎育ちの私にはどこか郷愁を感じさせる。板張りの館内や裸電球の明かり、そして浴場へと長く続く廊下、木枠窓など、宿の全てが東北の大自然の中に位置する一軒宿に似つかわしい光景だ。この宿の魅力は次週に紹介する。

 (大川哲次・温泉学会副会長、弁護士)

●温泉のプロフィル●
【所在地】宮城県石巻市北上町女川字大峯1
【電 話】0225(67)3209
【部屋数】和室35室(定員80人)
【宿泊料金】平日(税込み)6156円〜(1泊2食、冬期は別途暖房費必要)
【日帰り入浴】営業時間午前10時〜午後7時
【入浴料金】大人300円、小人150円
【定休日】12月30、31日
【交 通】
・JR石巻駅→宿(送迎バスあり・要予約)
・三陸自動車道河北ICから国道45号線経由、車で約30分