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「“織田作”の作品は全て読みました。結核でサナトリウムに5年間入院していたとき、『夫婦善哉』などの作品を読むと、生き生きと大阪弁、食べ物、お金の話を書いている。織田作の作品で小説の間口が広がった。小説はこうあるべきだという先入観がなくなり、衝撃的でした」
笑顔を浮かべながら話す難波さんだが、織田作之助に関係してほろ苦い思い出がある。
難波さんが「地虫」でオール読物新人賞を受賞したとき、「織田作と似ていると言われ、ファンの私は喜んでいたが、選者の一人、瀬戸内寂聴さんが似ていることはマイナスと指摘された。今となっては織田作のイミテーションということでようやく気が付きました」と回想する。
難波さんは5回、直木賞候補に挙がり、47歳のときに6回目の作品「てんのうじ村」で受賞。「直木は大衆小説の作家として偉大な名で現在も名前が残っている。私もその名のおこぼれをあずかり作家として生活ができている。ありがたいことです」と心境を述べつつも、「直木賞は本当は長距離走のための作家としてのスタート地点。それが候補の回数が重なるとせっかくの新人賞がゴールになっている。なかなかもらえないと気持ちがそうなってしまう」と現状の直木賞に言及している。
そして「意外に知られていないですが、直木は大阪出身。芥川には短編小説があり、文学全集で残っていく。直木は残る作品と残らない作品がある。もっと直木を知ってほしいですね」
堺市南区、85歳。
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