来阪catch

夏の大阪ロケ「燃えた」

映画「ニワトリ★スター」 
主演 井浦 新、成田 凌、紗羅マリー
2018年3月24日

同志・分身のように芝居

「初共演で喜怒哀楽を全部ぶつけて演じた」と話す(左から)成田凌、紗羅マリー、井浦新=大阪市中央区のシネマート心斎橋
井浦新(右)と成田凌(C)映画「ニワトリ★スター」製作委員会

 演技派でテレビの美術番組司会者として知られる井浦新(43)、進境著しい若手の成田凌(24)、そしてモデルで映画初出演の紗羅マリー(31)が主演トリオを組んだ「ニワトリ★スター」(マジックアワーほか配給)が24日から、シネ・リーブル梅田、シネマート心斎橋で公開される。「大阪の夏の撮影で、同志、分身のように燃えた」という3人に話を聞いた。

 井浦は故若松孝二監督の「実録・連合赤軍あさま山荘への道程」「11・25自決の日 三島由紀夫と仲間たち」などに出演し多くの映画賞に輝いた。「若松監督に映画のノウハウを教わった。亡くなっても私の師匠に変わりがない」とし、その後も映画、ドラマに堅実に取り組み演技派スターの道に。NHKEテレ「日曜美術館」の司会者としても茶の間で親しまれている。

 井浦は「いろんな役をやったが、今回、かなた狼監督から『今までの井浦は1ミリも出してはいけない』と言われたので、そのプレッシャーが大きかった。監督の出身地である夏の大阪ロケがメインで、年上の僕が若手の成田凌君、紗羅マリーちゃんと一緒に仲良く、そしてシビアに同志・分身のように芝居に取り組んだ」と振り返る。

 成田はモデル出身で俳優に転身し売り出し中で、NHK朝のドラマ「わろてんか」で葵わかなの息子を好演したのも記憶に新しい。「僕は井浦さんが演じる草太と出会い、アパートで共同生活をする楽人の役で、破天荒な性格でぶつかり合うが、心の中ではつながってバディ・ムービーのようなタッチ。いろいろ教えてもらいながら演じたが、すべてが挑戦で、役になりきろうと努めた」と成田。

 2人の男が住む都会の片隅にある奇妙なアパートに、シングルマザーで子どもと一緒にやって来る女が紗羅の役。「13歳からモデルをやっているが自分以外の人間の名前を名乗るのは初めてで、台本をしゃべるのも初めて。月海という名の女性がとてもよくて、お話をいただいてすぐにやりたいと答えてしまった。井浦さん、成田さんに助けてもらいながら一生懸命演じた」と紗羅。

 3人のアウトローな若者たちは、やがてやくざ絡みの事件に巻き込まれ不幸な別れを迎えるが「一緒に過ごした時間はとても大事なもので、それぞれの役を演じながらも、同時に役者というより自分たち自身の体験として貴重な時間だった」と先輩の井浦。撮影は監督の実家である大阪の黒門市場の「道草アパートメント」で行われたので「監督が伝えたいものが肌に響いてきた」と付け加える。

 成田は「わろてんか」以前の仕事で大阪を体験し「この街に生かされて、俳優として全力を出し切ることができた」と言えば、初女優業の紗羅も「監督、スタッフ、そして俳優さんが一緒に戦ってくれたので最後までやり遂げられた」と口をそろえる。大阪ロケに奥田瑛二と山田スミ子、海原はるか・かなたらが参加している。