来阪catch

一番身近な役に共感

映画 「わたしは光をにぎっている」
主演 松本 穂香
監督 中川 龍太郎
2019年11月23日

飛べない魔女の宅急便

「とてもいい感じの青春映画になった」と話す松本穂香(右)と中川龍太郎監督=大阪市内のホテル
ヒロインの松本穂香(C)2019 WIT STUDIO/Tokyo New Cinema

 ドラマ「この世界の片隅に」や映画「おいしい家族」などでヒロインを演じた松本穂香(22)が主演した新作映画「わたしは光をにぎっている」(ファントム・フィルム配給)がシネ・リーブル梅田で上映されている。「ヒロインに共感して」という松本と、「飛べない時代の魔女の宅急便」という中川龍太郎監督(29)に話を聞いた。

 松本は堺市出身で高校を卒業後、女優を志し上京。2017年にNHKの「ひよっこ」に主人公の同僚として出演し話題になり、翌年3千人の応募者の中から選ばれてヒロイン役を演じたドラマ「この世界の片隅に」でブレーク。今年は映画初主演作「おいしい家族」で注目を集めた。「今度の映画『わたしは−』は田舎から上京し、自分の居場所を探す女性の話。一番身近な女の子で、役に共感し、ワクワクしながら演じられた」と笑顔で話す。

 中川監督は前作「四月の永い夢」が第41回モスクワ国際映画祭で国際映画批評家連盟賞を受賞した若手のホープで「松本さんとは3年前会う機会があって、その時の印象が残っていて今回の作品のヒロインをやってほしいと頼んだ。彼女の地に近いというか、歩き方がとてもよくて、彼女なら『飛べない時代の魔女の宅急便』になるのではないかと思った」と経緯を振り返る。

 おばあちゃん(樫山文枝)から「目の前のできることから一つずつ」と言われて育った宮川澪が松本の役。「東京下町の葛飾区立石で小さな銭湯を経営している親の知人・三沢(光石研)の世話になり、銭湯で働くことになる。洗い場の掃除、釜にくべるまき割り、番台など日々大変な労働がある。それを切り盛りしていた三沢さんが、銭湯を閉めるということになり、澪は自分が何か手伝うことがないのか一生懸命考える」

 神奈川県出身の中川監督は「今は田舎でも都会でも開発などで風景がなくなっていくことが多い。この映画の発想の原点はそれで、なくなっていく風景の中でヒロインを描きたかった。松本さんが自己主張することなくそこにいるという感じで、とても自然だった。出来上がった作品を見て彼女が泣いていた。この人に演じてもらってよかったと思った」。「にぎった手の中に何があるか。ないかも知れないし、あるかも知れない。そんな気持ちが伝われば…」と松本は口を結んだ。

 渡辺大知、徳永えりらが共演。20代の主演・監督コンビの静かで若々しい青春映画になっている。



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