来阪catch

重いけど、これが現実

映画 「子どもたちをよろしく」
企画/総括プロデューサー 寺脇 研
2020年3月14日

古い日本映画の良さを

「時代遅れでも上質の映画を」と話す寺脇研プロデューサー=大阪市北区の梅田スカイビル
「子どもたちをよろしく」の鎌滝えり(左)と杉田雷麟(C)子どもたちをよろしく製作運動体

 元文部科学省の官僚で映画評論家の寺脇研(67)が企画/総括プロデューサーを務めた映画「子どもたちをよろしく」(隅田靖監督、太秦配給)がテアトル梅田で上映されている。中学生のいじめと自殺を正面から描いており「古き良き時代の日本映画の良さで勝負し、重いけどこれが現実という作品になった」と寺脇プロデューサーは力を込める。

 映画の企画に携わったのは「戦争と一人の女」(2013年、井上淳一監督)、「バッド・オンリー・ラヴ」(16年、佐野和宏監督)に続く3本目に当たる。「自分が見たいと思う映画を作るという意味では同じだが、今回は1975年に文部省(当時)に入ってからずっと追いかけてきた、いじめをきっかけにした子どもの自殺や貧困の話で、どこまでやれるかを考えて作った」

 企画で名前を連ねたのは元文部科学省事務次官の前川喜平氏。「彼は僕の2年後輩で机を並べてきた友人。彼は忠実に務めてトップになったが、僕は反抗したのでなれなかった。この映画の話をすると前川は賛同してくれて、いじめと自殺の問題の裏には家庭の問題があり、脚本を読んで 『重いけど、これが現実だ』と応援してくれることになり力強く思った」

 監督には東映で松田翔太主演の「ワルボロ」(07年)を1本発表しただけの隅田靖監督(60)を起用。「僕が敬愛する澤井信一郎監督の吉永小百合・渡哲也共演作 『時雨の記』(98年)などで助監督をしていた人で、澤井監督の勧めもあってお願いした。隅田監督は脚本も担当し、シビアな少年の世界を描いてくれた。昔の良き日本映画で、例えば今井正監督の 『純愛物語』(57年)のような作品を作りたいと思った」

 今回の現場スタッフは「戦争と一人の女」の片嶋一貴プロデューサーが参加し、オーディションで主演の女高生に鎌滝えり、弟に杉田雷麟、同級生に椿三期が選ばれた。ほかに川瀬陽太、村上淳、有森也実ら実力派俳優と、寺脇プロデューサーを応援する俳優たちが脇を固めている。「隅田監督の次の一歩と、鎌滝さんら若手スターの今後も楽しみ。杉田くんは昨年の阪本順治監督の『半世界』の子で、こちらに来てくれて感謝している。ともあれ、やりきった感があり、後は多く方に見ていただきたい」



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