来阪catch

父性をリアルにためて

映画「ステップ」
出演 國村 隼 & 監督 飯塚 健
2020年4月4日

多くの家庭に届けたい

「身近な家庭の話なので多くの人に見てほしい」と話す國村隼(右)と飯塚健監督=大阪市内
國村隼(後列左)と山田孝之(同右)ら(C)2020映画「ステップ」製作委員会

 重松清の同名原作を映画化した「ステップ」(エイベックス・ピクチャーズ配給)が近く公開される。亡くなった娘の父親・明の役で出演している國村隼(64)は「父性をリアルにためて演じた。俳優として財産になった」と言えば、監督の飯塚健(41)は「どんな家庭にも起こること。多くの人々に届けたい」とPRに力を込めている。

 原作は2009年に発表されているが、飯塚監督は当時読んで感動し「いつか映画にしたい」とひそかに抱えていた企画。「シングルファーザーの主人公・武田健一(山田孝之)が2歳半の娘・美紀(中野翠咲)と暮らす10年間を描いた物語で、僕自身が母親を亡くし父親に育てられた体験があって身近に感じられた」

 國村は「年齢が同じくらいの役どころで、僕には珍しい普通のおじいさん。娘を嫁がせたが、若死にし、亭主の健一が一人で娘を育てているのをヒヤヒヤしながら見ている。自分たち夫婦が引き取って面倒をみたいと思っているが思うようにならない。孫かわいさもあって、健一を一生懸命サポートする姿は辛いけど、義父としてできることをする彼にすごく感情移入できた」と振り返る。

 飯塚監督は舞台、ドラマ、映画とジャンルが広い売れっ子。「2012年に結婚(妻は井上和香)したことで、家庭を見る目が多少違ってきたが、映画のように現実的に人生は思うように進まず、その現実に一つずつぶつかっていくしかない。普通の家庭もそうだと思うし、共感して見ていただけたらうれしい」

 映画の後半で明は厳しい現実(病気)を抱える。「かわいい孫がおじいさんに会いたいと思うが、彼はベッドに伏して『会いたくない』という。わがままな祖父だと思うが、リアルな本音でもある。ここの撮影では泣いてはいけないと思いつつ思わず…父性をリアルにためてその場に臨んだ気がする」と國村は述懐。原作者は國村の演技を見て「器が大きい」と絶賛している。

 國村は大阪市出身、飯塚監督は群馬県出身。ほかに余貴美子、広末涼子、伊藤沙莉、川栄李奈、片岡礼子らが共演。娘・美紀役を白鳥玉季、田中里念の2人がつないで好演している。



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