来阪catch

息子守る母親の罪とは

映画 「許された子どもたち」
出演 黒岩よし
2020年6月6日

女性も母も強くなくては

「アクションが好きでだんだん芝居好きに…」と話す黒岩よし=大阪市内
左から黒岩よし、上村侑、三原哲郎(C)2020「許された子どもたち」製作委員会

 教員から映画監督になった内藤瑛亮(37)の新作「許された子どもたち」(スペースシャワーフィルムズ配給)が大阪のテアトル梅田で上映されている。いじめ殺人を扱った話題作で「あなたの子どもが人を殺したらどうしますか?」というのがテーマになっている。主人公の少年の母親を演じた黒岩よし(45)に話を聞いた。

 内藤監督は特別支援学校(旧養護学校)の教員から映画監督になり自主映画「先生を流産させる会」(2012年)でデビュー。その後、夏帆や野村周平主演のメジャー作も手がけるが「今回は自主制作に戻って、8年越しの作品を作った」という。近年多いいじめ殺人事件など実話を素材にリアルなドキュメンタリータッチの作品に仕上がっている。

 主人公は地方に住む中学1年の市川絆星(キラ)(上村侑)で、不良グループ4人のリーダー。その母親の真理を演じているのが黒岩。ソウル五輪出場の元水泳選手で女優に転身し「その後、モデルやヨガのインストラクターなどを経て、女優の道に入った。アクションが好きでハリウッド映画『ウルヴァリン SAMURAI』にヒロインのスタントダブルで出たりしたが、近年は母親役などが多くなった」。

 息子の絆星が同級生の男の子をいじめて殺したと言われ、真理は驚く。「まさかと思い、そんなはずがないと息子に容疑を否定させ、彼を守り、信じることで、母親としての自分を主張する。監督から実際に起きた事件などの話を聞きながら、私が真理だったらどうするかを考えた。最初は理性の抵抗もあって、息子が罪を犯したかもしれないと思うが、母親なら何よりも息子を信じ、かばうのが本能的ではある。母親が最初から息子の罪に向き合わなかったのが、物語の展開を複雑にする」

 絆星を演じた上村は「誰も知らない」の柳楽優弥似で目が鋭い。内藤監督は「母親の黒岩さんの目も彼に似ている」と評している。「昔はジャッキー・チェンのアクションが好きで、戦う目つきになっているのかもしれない。でも、今の時代、女性も母親も強くなくては生きていけない。見たくなくても『見ろ』と言っているような強さがこの映画にあるような気がします」

 兵庫県芦屋市生まれで大阪・河内、帝塚山で育つ。「芝居は面白い。米映画『スリー・ビルボード』でオスカー主演女優賞を取ったフランシス・マクドーマンドのように」。元プロスイマーは女優でまい進中である。



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