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「登場人物はみんな自分の分身のような気がします」と話す福間健二監督 |
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「パラダイス・ロスト」の和田光沙(C)tough mama |
詩人で映画監督の福間健二(71)の新作映画「パラダイス・ロスト」(tough mama配給)が7月3日から京都の出町座、4日から大阪のシネ・ヌーヴォと神戸の元町映画館で公開される。夫に先立たれた妻が、その先どう生きるかを、死者の視線を交えながらつづった作品。「私たちの生きる場所を再発見したいと思って作った」という福間監督に話を聞いた。
高校時代から8ミリ映画を撮り、若松孝二監督の映画に参加し、16ミリ映画「青春伝説序論」を監督し、同時に詩を書き始めた経緯を持つ。劇場映画は第1作「急にたどりついてしまう」(1995年)から「秋の理由」(2017年)まで5本を発表。詩では詩集「青い家」(11年)で萩原朔太郎賞と藤村記念歴程賞をW受賞。著書に「石井輝男映画魂」(1992年)などがある。
「映画はフランスのヌーベルバーグ、ジャン=リュック・ゴダール監督が一番好き」という世代。「そのため、映画はセオリーに撮るというのは好きでなく、自由に撮りたい。晩年のゴダール映画は難解でいい時代と違っているが、ゴダールはゴダール。僕も自分の映画にこだわって、今回は以前から考えていた、1人の死者が自分の去った世界を見ているというイメージを映像に込めた。主人公はその死者の妻で、彼女がどう生きて、再生の場所を見つけていくかを描いた」
撮影は一昨年前の夏。用意していた作品が流れ、同じスケジュールに合わせて今回の作品をあてがった。「映画は往々にしてそうやって別の作品が生まれる。一緒に仕事をしたかった女優の和田光沙さん(37)が出てくれることになって、彼女扮(ふん)する亜矢子が、夫(江藤修平)の急死後、彼の実弟の翔(我妻天湖)や、周辺の家族や友人たちとどう生き直すか。死者が出てきて、この世をさすらう人も登場して、彼女の生きる場所が見えてくるようになる」
当初映画公開は昨年だったが、今年の3月に延び、新型コロナウイルス感染拡大防止で再び延期され、今回ようやく公開の運びに。「映画のカメラをのぞいているのは僕であり、観客のそれでもある。日本だけでなくコロナ禍が世界を覆っている今、もう一度生きようとするヒロインたちの姿はよりリアルに見えるかもしれない」。「あるいは佐々木ユキ」(2013年)のヒロイン、小原早織が今回も福間映画のミューズとして助演している。
上映館では福間映画の旧作5本が新作公開の前後で特別上映される。シネ・ヌーヴォの問い合わせは電話06(6582)1416。
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