大人の社会見学

 大人にしか味わえない、大人だからこそ学びたい施設を行く−。それを「大人の社会見学」と呼ぶ。食品工場や伝統産業資料室、工業遺産など関西有数のスポットを写真に収めながら、地域との密着や歴史、魅力を取り上げていく。

明治なるほどファクトリー関西(貝塚市)

2020年1月23日

食と健康のプロ

多彩なラインアップがある看板商品「明治ブルガリアヨーグルト」
阪神甲子園球場4・5個分という広大な敷地に立つ関西工場内にある体験型見学施設
工場内の見学通路は全長で約120メートルあり、ラインをじっくりと見学することできる

 「ブルガリアヨーグルト」「エッセルスーパーカップ超バニラ」「アポロ」「チェルシー」「きのこの山」−。これすべて、“meiji”ブランドの製品だ。どれも店頭やテレビCMでおなじみだが、このうち「明治ブルガリアヨーグルト」を製造する西日本最大の拠点が貝塚市にある。日々の健康に欠かせない「特定保健用食品」の生産地であり、“食と健康のプロフェッショナル”を自負する見学工場を訪ねた。

大阪市中心部から車で約30分。大阪湾岸の造成地、二色の浜産業団地には、阪神甲子園球場約4・5個分に相当する17万8千平方メートルの広大な工場地が広がる。その一角にあるのが、ヨーグルトができるまでを学べる「なるほどファクトリー関西」だ。

◇明治のファンに

 関西工場では、西日本各地に向け、ヨーグルトの関連商品を1日当たり約80万個製造している。製造工程を学べる約120メートルある見学通路は見応え十分だ。

 通路は、ヨーグルトの原料乳や牛乳を高温で瞬間殺菌し、冷却する「殺菌室」をはじめ、ヨーグルトや牛乳を瓶やカップなどの紙容器に詰める「充?(じゅうてん)室」などと工程順に続く。吉井賢至施設長(52)は工場見学を通じて「明治のファンを増やしたい」と期待を寄せる。

◇実は同じ

 明治が保管する乳酸菌は約5千種類。このうち「ブルガリアヨーグルト」には、相性がよく、発酵が進みやすい「ブルガリア菌」と「サーモフィラス菌」の2種類を利用している。

 原料乳に乳酸菌を加え、ヨーグルトを培養する「培養室」では、小型タンクで9時間かき混ぜて乳酸菌を増やす。その乳酸菌を大型タンクで原料乳とともに4時間発酵させると出来上がる。

 豆腐のような固体をミキサーで砕くと、スプーンですくうヨーグルトが完成。さらにかき混ぜると「飲むヨーグルト」に変化するというわけだ。館内担当者は「食べるヨーグルトと飲むヨーグルトは、実は同じものでできています。途中で薄めないので、乳酸菌の数や栄養効果も同じです」。

◇毎日取るのが大事

 外から侵入してくる細菌やウイルスを排除する「免疫」は、6割が腸内で作られ、腸内細菌は腸の働きを活性化させる役割を担っている。1時間の見学を終え、その場で味わう明治の製品はまた格別だ。

 家族で訪れた内田敏明さん(65)=豊中市=は「衛生、安全面への取り組みに驚いた。ヨーグルトは毎日食べ続けたいと改めて思った」と満足そうだった。

【株式会社明治】 「明治製菓」の前身、「東京菓子」として1916年に創業。飲料や乳製品、菓子、アイスクリーム、栄養食品など幅広く食品事業を手掛け、数多くのヒット商品を世に送り出してきた。工場見学施設「なるほどファクトリー」は、北海道や茨城県など全国に計7施設あり、年間計約20万人が訪れている。大阪府内は貝塚市と高槻市の2カ所。貝塚市の関西工場は2005年に生産を開始し、見学施設は06年に「明治ヨーグルト館」としてオープンした。


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