大人の社会見学

 大人にしか味わえない、大人だからこそ学びたい施設を行く−。それを「大人の社会見学」と呼ぶ。食品工場や伝統産業資料室、工業遺産など関西有数のスポットを写真に収めながら、地域との密着や歴史、魅力を取り上げていく。

大阪五低山

2021年7月22日

知る人ぞ知るスポット 日本最低山を縦走 地域活性化にイベント企画

二等三角点のある「日本一低い山」天保山=大阪市港区
聖天山正圓寺境内にある「聖天山山頂」の表示=大阪市阿倍野区
上町台地の東縁部にある御勝山古墳。「大坂の陣」で徳川方の本陣が置かれたことで墳形が壊れたとされ、前方後円墳の後円部のみが残っている=大阪市生野区

 富士山、奥穂高岳、槍ケ岳−。日本を代表する高峰があれば、一方で標高の低い“低峰”あり。大阪の知る人ぞ知るスポットが「五低山」だ。山と言っても標高数十メートルというのが主で、ちまたではそれぞれの山頂を縦走する企画も。試しに、大阪を代表する「低山」を巡った。

 「高ければ高い壁のほうが 登った時 気持ちいいもんな」−。人気音楽グループ、ミスターチルドレンの「終わりなき旅」の歌詞の一節だが、いやいや、低い山も登れば気持ちいいもんな。

 「大阪五低山」とは、天保山(4・53メートル)▽聖天山(14メートル)▽御勝山古墳(14メートル)▽帝塚山古墳(20メートル)▽茶臼山(26メートル)−の5座。ファンの間では、1日でこれらを踏破する縦走も人気だ。

 “日本一低い山”とされる2座を巡る「日本最低山縦走大会」(実行委員会主催)は、恒例イベント。二等三角点のある日本で最も低い天保山と、「五低山」には含まれないが、一等三角点がある日本で最も低い蘇鉄(そてつ)山(堺市堺区、6・97メートル)を経由する、全長約20キロを歩くユニークな企画だ。

 地元では、低山を地域活性化に活用しようと、天保山が国土地理院発行の2万5千分の1地形図に山名が掲載され、「日本最低」に返り咲いたのを機に1997年、「天保山山岳会」を組織した経緯もある。

 天王寺区茶臼山町の「茶臼山」では、2017年に“山頂”を示す記念碑が完成。「てんのうじ観光ボランティアガイド協議会」と、茶臼山近くにある一心寺の寄付によるものだ。

 一帯は「大坂の陣」の古戦場でもあり、地元は「(来園者が)山へ登る目標ができた」と天王寺公園周辺の活性化に期待している。“登頂”すると一心寺の存牟堂で「登頂証明書」を受け取ることができる(有料)。

 「最低」を巡る縦走。“登山”といえども、入山には特別な許可がいる山もあるので注意を。

 三角点 国土地理院が測量法の規定する測量標を設置し、維持管理している。三角点は地表に埋定された基準点のことで、設置間隔などに応じて一〜四等に分類され、全国に約10万9千点。基準位置に花こう岩でできた四角柱が埋め込んである。地球上の位置(緯度、経度、標高)が正確に求められており、あらゆる測量の基準として地図作成や地籍調査などの公共事業で利用されている。


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