旅ばな

 外資系シティーホテル、大型リゾートホテルなどの総支配人を経て、現在、ホテル・旅館プロデューサーとしてホテルの再生・運営を主に活動する吉武英行が、旅のエピソードや宿での失敗談、宿の上手でお得な利用の仕方などを連載します。

我慢の限界

2018年2月12日

 翌日が早い時間に出かける仕事があるため、この日は近くのビジネスホテルへ予約を入れた。シングルルームを確保したのであるが、その際予約を受けた方がこう言う。「お客さま会員さまですか?」「会員カードを必ずご持参下さい」と。

 チェックインしようとカウンターに行くと、フロントマンは電話を片手にもう一方の手でレジカードを促す。書き込みが終わり係の電話が終わるのを待つ。先ほど予約を受けた声である。ようやく電話が終わり、いきなり「会員さまですか、こちらのカードにご記入下さい」。また、別のレジカードに記入。私はすかさず会員カードを提示すると、「お客さま、本日土曜日ですので、カードは使用できません」。カードを持参しろと言ったのはあなたでしょう、と喉もとまで出かかったが我慢。チェックインを済ませた。

 翌朝が早いので早速シャワーを浴びて寝ようとバルブを開いた。待てどもお湯が出ず。フロントに連絡。すぐに部屋に来て「営繕係は帰社して対処できません。お部屋を変えさせて頂きます」。仕方なくまた着替えを済ませ、案内されるままに新しい部屋へ。

 とにかくいんぎん無礼というか、接客態度は事務的で、イライラしていたが我慢。さて新しい部屋でそのフロントマンが「お客さま、本日はツインの部屋しかご用意できません」と言う。私は「はい大丈夫ですよ」。そしてフロントマンが「ツインですから差額4800円追加料金のお支払いお願いします」。私は「意味がわかりません。施設の不備はお客のせいですか?」。ついに我慢の限界だ。

 他のホテルではこういう事故の際、予約した部屋以上のグレードの部屋を提供するのが常識。差額料金まで請求するこのホテルのホスピタリティーはどうなっているのだろう。有名なホテルチェーンである。それ以後は一切利用することはない。

 (ホテル、旅館プロデューサー)