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JRおおさか東線に10年ぶり新駅

2018年3月14日

「衣摺加美北」駅 17日に開業、式典も

10年ぶりの新駅となる「衣摺加美北」駅
まっさらな駅コンコースで記念撮影する見学会の参加者ら

 放出(はなてん)(大阪市鶴見区)と久宝寺(八尾市)の両駅を結ぶJRおおさか東線に、完成以来10年ぶりの新駅が誕生する。新駅は東大阪市と大阪市にまたがる「衣摺加美北(きずりかみきた)」。署名活動など地元の要望が実った形で、大阪ならではの“難読”駅がまた一つ生まれることになる。来春は路線が新大阪駅まで北伸する予定で、住民は「乗り換えなしで新幹線に乗れる」と利便性向上に大きな期待を寄せている。新駅の開業は17日の始発から。

 「なかなか開業前の駅内部を見る機会はない。ぜひ見学を楽しんで、今後もたくさんご利用ください」。10日にあった駅見学会で、建設資金の受け皿となる第三セクター「大阪外環状鉄道」の担当者が市民へにこやかに呼び掛けた。10、11の両日は両市民が対象の抽選に受かった約300人が新駅を訪れ、一番乗りした東大阪市の小学2年、北尚葵君(8)は「新しくてつるつる。(開業したら)電車に乗って来てみたい」とうれしそうだった。

 新駅は「JR長瀬」「新加美」間に完成し、総工費約23億円。2015年秋の着工から2年半をかけて完成にこぎ着けた。19年3月には、放出以北の5駅が一斉に開通し、新大阪まで総延長20・3キロが完成予定だ。

 駅コンセプトは「モノづくりが紡ぐ歴史とまち」。衣摺は、古代は染色技術、近年は工業地域として栄えた土地で、駅のシンボルカラーには染め物の原料となる「ツユクサ色」を採用。エレベーターの扉やプラットホーム上の壁など随所にブルーの彩を利かせ、階段とホームを隔てるすりガラスには幾何学模様のすかしを施すなどアクセントを取り入れた。

 「天王寺へ出るには平野駅までバスに乗る必要があった。これからぜひ新駅を利用したい」と誕生を喜んだのは平野区の主婦、満田敏子さん(73)。細部へのこだわりに北悦子さん(43)=東大阪市=は「通過ばかりで気にしていなかったが、各駅で色やデザインにこだわりがあることに驚いた」。

 また、登記上の住所は東大阪市衣摺6丁目だが、ホームが二つの行政区にまたがることから、駅名には東大阪市の「衣摺」と大阪市平野区の「加美北」という地名を組み合わせた。「衣摺」は、「放出」「住道(すみのどう)」などと同様に難読駅名。JR西日本の広報は「逆に難読が話題になり、駅の知名度が上がってくれたら」と期待している。

 17日は、午前9時から「衣摺加美北」駅で記念式典が行われる。