トレンド特急便

タピオカ人気 拍車

2019年10月23日

相次ぐ新店、分岐点観測も

店外まで列ができる「タイガーシュガー」心斎橋店
黒糖と粉砂糖でトレードマーク「甜」の文字を描いた台湾甜商店の「甜黒糖クリームミルク」

 空前のブームが続く「タピオカ」。宝石のような外見とモチモチとした食感が若い女性を中心に“インスタ映え”するともてはやされている。街では「手ごね」へのこだわりやできたての提供など各店舗がサービスを競っており、企業は「文化の一つに成長しつつある」と歓迎する。一方で「落ち着くのか、まだ盛り上がるのか。分岐点に差し掛かっている」との観測も。このタピオカブーム、いつまで続くのか。

 激戦区の一つ、大阪・ミナミのアメリカ村で18日、アジアなど13カ国でタピオカドリンクを提供する、台湾発の「タイガーシュガー」心斎橋店がオープン。最初の週末だった19、20の両日は、店頭から道路を挟んだ向かい側まで列が続き、待ち時間は最長で30分〜1時間に及んだ。

■若い世代に浸透

 タピオカの原料は熱帯原産のイモ「キャッサバ」から採れるでんぷんを粒状に加工したもの。タイガーシュガーでは、タピオカを煮込む素材に本家・台湾から取り寄せたオリジナルの黒糖シロップを用いる。会員制交流サイト(SNS)で影響力を持つ「インスタグラマー」を起用するなど、PR戦略にも注力する。

 同店を運営する「MFCジャパン」(兵庫県芦屋市)の担当者は「カフェインが苦手でも楽しめて、コーヒー、紅茶と並ぶジャンルの一つになるのでは。業界が成熟し、幅広い世代に浸透してきている」と期待を寄せる。

 特に若者が集まる大阪市の繁華街は激戦区で、ミナミには7月、東京・表参道に旗艦店がある「台湾甜(てん)商店」、キタでは8月、ベトナム製法にこだわる「モッチャム」が茶屋町に新店をオープンさせたばかり。勢いは続きそうだ。

■追い付かぬ供給

 大阪市内をはじめ全国でスーパーをフランチャイズ展開する兵庫県の運営会社では、家庭向けの冷凍タピオカ関連商品の売り上げが前年比で10倍を超えた。特に湯煎をし、牛乳を掛けるだけで楽しめる「タピオカミルクティー」は、SNS上でも人気を集め、ヒット商品となった。

 広報によると、商品は台湾から輸入しており、今では入荷できるのは月に数回。それも1度の入荷で40袋入りが2ケース程度で、「今はまったく出ていない」という状態だ。需要に供給が追い付かず、担当者は「しばらく店頭に並べられそうにない」と漏らす。

■不況前後にブーム

 財務省の貿易統計によると、今年1〜7月のタピオカとその代用物の輸入は約6300トンで、昨年1年間の約3千トンを大幅に上回っている。

 民間調査会社「東京商工リサーチ」が8日に発表した動向調査では、「タピオカ」を専業または関連事業として営む企業は8月末時点で全国に60社あり、3月末時点の32社から半年でほぼ倍増。本業は飲食から電力関連までさまざまだ。

 また、タピオカミルクティーは「バブル・ティー」とも呼ばれる。バブル崩壊後、1992年の「第一次」、リーマン・ショックがあった2008年の「第二次」、そして今回を「第三次」とし、「米中の貿易摩擦、英国のEU離脱、国内では消費税増税と重なり、いずれも不況に前後してブームが起きている」と指摘。景気を占うブームとなるのか、今後の動向に注目したい。



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