トレンド特急便

ネット上のプライバシー保護 広告分野で対応

2019年11月30日

閲覧履歴追跡 「横断」から「単独」へ

新たな測定方法の提供を始めたイルグルムのサービスのサイト

 インターネット利用者のプライバシー保護の規制強化が国際的に加速する中、事業者側も対応する動きを見せている。大阪では、ネット上の広告効果測定の分野で、プライバシーへの配慮もしつつ、閲覧者の正確な計測も図るサービスを、ソフトウエア開発会社が国内でいち早くスタート。今後も各社が対応を迫られそうだ。

 個人情報を巡っては、欧州連合(EU)がデータ保護の徹底を求める一般データ保護規則(GDPR)を昨年施行するなど、規制強化が進んでいる。このうち、閲覧履歴などを追跡する機能「クッキー」を制限する流れがあり、閲覧者の行動データを収集する側に対応が求められている。

 クッキーの仕組みのうち、これまで主流だったのは、複数のサイトの閲覧記録を横断的に計測できる「サードパーティー(第三者)・クッキー」。サイトの運営企業とは別の広告配信事業者など「第三者」が運用し、閲覧者ごとに趣味や関心に合わせた広告をサイト横断的に出してきた。

 ただ、サードの場合、閲覧者がサイトを変えても同じ広告が出て不快感を与えたり、個人情報と閲覧サイトの情報をひも付けし続ければ、閲覧者が知られたくないような悩みや趣味趣向まで取得されたりする危険があり、ブラウザー(閲覧ソフト)側が規制の対象とする動きがある。

 一方で、サイトの運営企業が自らのサイトの閲覧状況を計測できる「ファーストパーティー(当事者)・クッキー」は、サードに比べて認められている。ファーストに限ることで、閲覧履歴の追跡は各サイトのみにとどまり、複数のサイトの横断的な追跡には至らないようになる。

 広告効果測定の分野でもサードが用いられてきたが、ソフトウエア開発会社「イルグルム」(大阪市北区)は、自社サービス「アドエビス」の中で、ファーストを活用した測定方法「CNAME(シーネーム)トラッキング」の提供を今年10月から始めた。

 今回の「ファースト」の導入には、サイト運営者側が、イルグルムと連携したドメイン(インターネット上の住所)を作成する手間は発生するものの、より多くのブラウザーを対象に計測ができ、プライバシーへの配慮も可能になる。

 広告効果の測定はマーケティングの重要な要素となっており、同社の中川仁執行役員は「閲覧者の皆さんが快適にサイトを見られる状態と、より正確な効果測定を両立していく」と意欲を示している。



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