トレンド特急便

日韓の友好 どう築く

「箕面こどもの森学園」の中学生
2019年12月28日

現地で交流、関係改善策を提言

学習発表会で自身のリポートを発表し、来場者とやりとりする生徒ら(左端)=箕面市

 日韓関係が冷え込む中、箕面市の教育施設に通学する中学生たちが、韓国の生徒らと交流を続けている。11月には10日間にわたって韓国を訪れ、両国の友好関係の築き方について多角的に分析。マスコミやインターネットの情報だけでなく、現地を訪ねる重要性を説き、同じ価値観を共有したり、政府と個々の国民への思いを切り分ける必要性を指摘している。

 「政府への印象に左右されて、その国の人たちを嫌ってはだめだ」。中学1年の男子生徒(13)は、韓国訪問後の学習発表会でこう締めくくった。

 日韓の友好都市の交流が停止されているのを知り、よりよい未来に向けて両国の人々に何ができるかを模索。歴史的経緯や時事問題を調べ、韓国で見聞きした体験を基に結論付けた。

 ネットやテレビの情報と、自分の目で見た韓国は印象が違ったのを踏まえた。そもそも戦争が発端にあると捉え、「二度と起こしてはいけない」と力を込めた。

向き合う意味

 交流を継続しているのは、国の教育課程にとらわれず、子ども主体の教育を展開している小中学生対象の通学施設「箕面こどもの森学園」。法律的な学校には位置付けられないものの、持続可能な開発のための教育(ESD)を行う施設として「オルタナティブ・スクール(もう一つの学校)」を掲げ、国連教育科学文化機関(ユネスコ)からユネスコスクールに認定されている。

 2014年度に、同様の教育を展開する関係者が集まる国際会議にスタッフが出席した際、韓国側と交流。16年度には同国のガンジースクールを生徒と共に訪問した。

 本年度は、両国の関係が複雑になっている時期だからこそ、向き合う意味があると考え、中学部の2学期の探究活動のテーマを「韓国・朝鮮半島」に設定。計12人が一人一人テーマを決め、週4こまのペースで取り組んだ。

「幸せ」の共有

 同学園は、11月に海外研修として改めてガンジースクールを訪問。生徒らは、寮で現地の中高生と過ごし、アンケートも行いながら両国の在り方について検討した。

 帰国後の学習発表会では、複数の生徒が、韓国の電車の中でアニメ映画「天気の子」の広告を目にしたり、日本ではKポップが依然受け入れられている現状を踏まえ、両国の文化を架け橋として生かす観点を提示。一方で両国の生徒らが「幸せに感じる時」を調査した中1の女子生徒(13)は、「おいしい物を食べている時」といった共通の項目が挙がった結果を受け、「実際に会って、幸せに感じることを共有し合っていけばよいのでは」と提言した。

 同学園では、ガンジースクールの生徒の受け入れも展開。今後も交流を続けていく方針で、中学部担当スタッフの高原麗奈さんは「子どもたち自身の目線で紡いだ学びとつながりが、政治や社会状況にかかわりなく、二つの国をつなぎ続けるきっかけになれば」と期待を寄せている。



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