トレンド特急便

"粘菌の魅力"を発信 漫画本やアクセサリーで

2020年3月28日
多彩な人と連携し、漫画本やアクセサリーを作りながら粘菌の魅力を啓発している片岡さん
自宅で粘菌を飼育する息子たち

 アメーバのように動いて摂食し、植物のように胞子を作る粘菌の魅力を伝えようと、日本変形菌研究会員の片岡祥三さん(48)=高槻市=が、異業種連携で多彩なツールを作って啓発している。漫画家と共に本を出版する一方で、子育て世代の保護者と一緒にアクセサリーなどを制作。「未解明のことを追究する面白さを知ってほしい」と思いを込めている。

 片岡さんが粘菌と出会ったのは、長男の連君(11)と約6年前に訪れた生物関連イベント。連君が関心を持ち、2人で山に探しに行ったりしながら集めて、家で飼い始めた。

 粘菌は、匂いや光を感じ取るとともに、ちぎれても死なずに別々になり、再会するとまた一つになる。環境が悪くなると子実体というキノコのような形に変化。胞子をつくり、風や虫に運ばれて別の場所に移動するという。

 今は10種類程度を飼育。「飼っていると性格も分かってきた」と片岡さん。イタモジホコリは「おっちょこちょい」。餌をあげるとわざわざ遠回りをしながらたどり着くこともある。アカモジホコリは「きれい好き」。手入れをしないと死に、臆病で新しい所にあまり行かないという。

 実は公園や庭先でも見つけられる身近な存在だが、「まだまだ解明されていない点は多い」と片岡さん。そこで、2019年に多彩な啓発ツールを考案した。

 漫画家のつるんづマリーさんとともに漫画本『粘菌ロンと楠公少年』(リクロ舎)を出版。原作を担当した。粘菌と共生し始めた子どもたちが、隕石(いんせき)によってもたらされた伝染病に立ち向かう話。粘菌の生態をうまく落とし込み、生命の起源について考えさせるストーリーに仕上げている。

 一方で工房を設立。粘菌は、子どもが理科に関心を持つきっかけにもなると考える中、周囲の子育て世代の保護者らと連携。粘菌の形状を模したアクセサリーをはじめ、帽子の模様のデザインにその形状を取り入れた商品などを開発している。

 片岡さんは「未解明だからこそ、自分で発見していく面白さがある。ぜひ観察してみて」と呼び掛けている。



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