トレンド特急便

心理学活用し学習向上 教育支援サービス会社が提唱

2020年6月27日

減った授業時間 克服を

五つの特性の測定結果を示し、数値化の重要性を説く浜野社長

 心理学の性格検査を活用して児童生徒の特性を分析し、個々に合った指導を展開すれば学習効果を高められる−。新型コロナウイルス対策の学校休校で授業時間が大幅に削られる中、大阪の教育支援サービス会社が、こんな補完方法を提唱している。同社では、勤勉性や協調性といった五つの指標の検査結果を組み合わせ、課題の与え方や褒め方などで181通りの助言を用意したサービスを展開。利用者の偏差値上昇の成果がみられるのを踏まえ、コロナ禍の学校を支援しようと、年末までの無償提供を行っている。

 「宿題をさせるには、頑張ったらどんな良いことがあるかを伝えるよりも、どうすれば早く片付けられるかを一緒に考えたほうがやる気になる」「反復学習を多くするのが効果的」−。

 教育支援サービス会社「トワール」(大阪市北区)が手掛ける「NOCC(ノック)教育検査」を受検し、勤勉性と知的好奇心の数値が低かった小学4年生への助言の一部だ。

 この女子児童が通っていた塾側が、検査結果を踏まえて指導したところ、塾内での偏差値は半年で25ポイント上昇したという。

■教育現場の血液検査

 教育現場では、教員をはじめ、子どもも保護者も学習の進め方について悩んでいる点に着目。それぞれが自身の経験や直観に基づいて取り組み、不安を感じていると分析した。

 医療では、検査結果に基づいて治療が施されるように数値化を重視。人の性格が、どのような特性の強弱で出来上がっているかを「見える化」しようと心理学の手法を活用した。浜野裕希社長は「教育現場向けの“血液検査”を提供したかった」と振り返る。

■集団管理にまで配慮

 基本検査では、受検者がパズルのような問題や普段の考え方などについて100問余りの質問にインターネット上で回答。勤勉性▽協調性▽外向性▽情緒安定性▽知的好奇心−の五つの特性を数値化する。

 抜き出た二つの特性に注目した型をはじめ、一つだけが突出している型や、どの指標も平均的な型などで分類。型に応じて、課題の与え方から褒め方、しかり方まで提案を用意した。このほか、応用力に当たる「流動性推理」の状況も測定している。

 助言内容は、大手進学塾や学校で実績を上げてきた社員らが議論。外部機関からの意見も踏まえた。

 指導方法では、1対1のやりとりだけではなく、集団における指導場面も提示。「チャレンジ精神があるため、集団授業の場合は当てやすい」といった形で、円滑な授業運営につながるポイントまで配慮した。

■基本検査を無料提供

 2018年10月からサービスを開始し、すでに約1万人が受検。1学年千人弱の塾が導入した際は、試験的に50人を対象に検査を活用したところ、利用者の塾内偏差値は1年間で平均2・65ポイント上昇した。

 教師や保護者からは、指導の根拠が得られることへの反響は高く、私立小学校が使った際の保護者の満足度調査では、86%が「知人に勧めたい」と回答したという。

 コロナ禍を踏まえ、小中高や教育委員会関係者を対象に、12月末まで基本検査の無料提供を決定。申し込み締め切りは7月15日で、問い合わせは同社ホームページからできる。

 浜野社長は「教員も保護者も子どものために行動しているのに不幸せになることがある。特性を定量化し、指標を用いることで、皆の思いを子どもの幸せにつなげてほしい」と利用を呼び掛けている。



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