トレンド特急便

“非接触型演劇”に挑戦 オンラインでドラマ制作

2020年7月15日

大阪市立大「劇団カオス」 8月ユーチューブで配信

中小企業連続ドラマ「公務ing my way!」の宣伝画像
オンライン上での稽古の様子

 大阪市立大の学生らでつくる「劇団カオス」が中小企業をテーマにした「WEBラジオドラマ」を制作している。大阪市大商学部の本多哲夫教授の脚本で、8月に動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信する。新型コロナウイルスの感染拡大で大学に集まることも困難な中、稽古・収録・制作をすべてオンライン上で行うという「非接触型演劇」に挑戦。オンラインならではの苦労もある半面、距離の制約を突破するというメリットの発見もあった。

 タイトルは「公務ing my way!」でテーマは「地域における中小企業支援」。産業振興にかかわる地方公務員が主人公で、中小企業とかかわりながら成長していく物語だ。地域における産業振興と中小企業支援について考えるコメディータッチの作品となった。

■1話30分で4話完結

 舞台の場合は100分程度の作品が多かったが、ユーチューブでの視聴を考慮して、1話が約30分のドラマを4話完結で制作している。連続ドラマとして、8月11、14、18、21日の午後8時から、劇団カオスと大阪市大のユーチューブ公式チャンネルで無料公開する。

 中小企業をテーマにした演劇は、2017年に「中小企業を知ってもらうには理性面だけでなく、感情面から関心を持ってもらえれば」との思いで本多教授が脚本を執筆し、学生劇団が上演するという取り組みをスタート。これまでに町工場や商店街、電器店を題材にした作品を披露してきた。

■東京のOGも参加

 今年も8月下旬に大阪市大のホールで上演予定だったが、新型コロナウイルスの感染状況が見通せないため、会場での公開を断念。学生劇団が演劇イベントどころか、新入生勧誘イベントすらできない状況に陥る中で、すべてオンライン上で完結し、音声をメインに役者のキャラクター画像なども使用した「WEBラジオドラマ」として、ユーチューブで配信することを決めた。

 企画の立ち上げから、人集め、宣伝など裏方部分の制作を担当した3年の岩永千里さんは「通常はチラシなどを張って宣伝しているが紙媒体が無理なので、宣伝画像を作りメール配信している。大阪にいない人にも届けることができる」と苦労の半面メリットも感じている。演出を担当した3年の中田万裕(まゆ)さんも「タイムラグが生じるので会話の掛け合いが難しいが、遠隔なので役者がどこにいてもできる。東京や香川のOGにも参加してもらった」と話す。

 本多教授は「学生たちの新しいことをやろうという提案で実現した。距離の制約をなくすことができたという利点もあり、意義が大きい」と、新たな試みに手応えを感じている。



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