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冷媒ガス漏れ止め剤「ドクターリーク」 売れ行き好調

2020年8月12日

カーエアコン修理費削減 大阪「リークラボ・ジャパン」

需要が急伸している「ドクターリーク」
「ドクターリーク」を手にする物部社長

 世界中の産業分野でオイルやエア、ガスなどのリーク(漏れ)を研究し、解決するリークラボ・ジャパン(大阪市、物部智人社長)が開発したカーエアコンの冷媒ガス漏れ止め剤「ドクターリーク」の売れ行きが好調だ。2018年の発売から毎年大幅に実績を伸ばし、3年で累計製造数20万本を突破、地球温暖化抑制への貢献も目指す。

 同社は約20年間、冷媒ガス漏えいを検知する蛍光剤を国内市場で展開しており、大手自動車メーカーの新車にも搭載されるなど信頼が厚い。物部社長は2代目で、継承時から8年間で売り上げを4倍に伸ばした。19人の社員のうち4人が中国・ロシア・イタリア・スリランカの外国人というダイバーシティ企業でもある。

■技術と整備士の意見

 ドクターリークは同社の蛍光剤で培った技術に加え、「使用感」などプロ整備士の意見を集約し、5年間をかけて開発した蛍光剤・潤滑油入りの漏れ止め剤。業界初の国産品で、漏れ止めや漏れ検知に加え、ガスやオイルの補充機能も備えている。

 ハイブリッド車用として今年発売した「ドクターリーク POE」と合わせ、3年間で累計20万本を製造。18年に3万本、19年に7万本、20年に10万本と需要の急拡大に対応してきた。これまでの漏れ止め剤のように水分に反応して内部で固まったり、詰まったりすることはなく、安全に使用可能という。

 カーエアコンからの冷媒ガス漏えいの補修はこれまで、大がかりな作業が発生するため修理費用が高額化しやすかった。ドクターリークの場合は、カーエアコンのサービスポートから注入するだけで補修が可能なため、修理工数やコストを大幅に削減できる。

 また、カーエアコンで使用される冷媒ガスは地球温暖化への影響が大きく、現在の国内の自動車保有台数を8千万台とすれば、漏えい量は年間で約752トンとなり、東京ドーム6杯分に相当するという。同社は海外展開の強化を計画しており、「地球温暖化の抑制にも貢献したい」と意気込む。

■工場の省エネ

 同社は元IHIの技術部長を顧問に招くなど技術力を高め、主に大企業の工場設備のエア漏れの検知・補修にも力を入れてきた。

 大阪府立環境農林水産総合研究所(羽曳野市)は、中小事業者の省エネのポイントを記した事例集で「工場設備で消費される全電力のうち約20〜25%を占めるといわれるコンプレッサーの省エネを進めることで、消費電力とコスト削減に大きな効果が期待できる」と指摘。金属製品製造業の事例として約3割の省エネ、年間21万6千円のコストカットを実現した企業を紹介しており、物部社長は「(コロナ禍で)厳しい中小企業にも省エネで貢献したい」とし、中小企業の工場の省エネにも注力したい考えだ。



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